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新型コロナ対策大失敗!政府は一刻も早く国民の海外旅行・海外渡航を自粛・禁止せよ!

山田順作家、ジャーナリスト
CDCがパンデミックを警告(写真:ロイター/アフロ)

 新型コロナウイルス(COVID-19)の市中感染が明らかになり、感染者数が日毎に増えている。明らかに政府の対応の失敗なのに、政府はそれを認めず、いまだにPCR検査の数を増やそうとしていない。検査をすれば、爆発的な感染状況が明らかになるのを恐れているとしか思えない。

 もはや、中国、韓国の状況を「対岸の火事」としている場合ではない。

 それなのに、政府は、韓国南部の大邱市と慶尚北道清道郡での感染拡大にともない、この地域からの入国を拒否すると発表した。やっていることが逆だ。いまや、日本が海外から「危険地域」に指定されている。すでに、イスラエルは、日本人の入国を制限・拒否している。ミクロネシア連邦、サモア、キリバス、ツバル、ソロモン諸島、コモロも同様だ。

 アメリカ国務省は、22日の時点で、日本への渡航警戒レベルを下から2番目の「注意を強化」に1段階引き上げた。このレベルは4段階あり、一番下のレベル1が「通常の注意」、2は「注意を強化」、3が「渡航を再検討」、もっとも厳しい4は「渡航中止・退避勧告」である。レベル3になるのは時間の問題だ。

 今日、アメリカのCDC(疾病対策センター)は、日本をCOVID-19の感染警戒地域(クラス2)に引き上げた。このクラスは3段階で、現在クラス3(原則、渡航・滞在禁止地域)は、中国本土と韓国が指定されている。中国の場合にはクラス2から3への引き上げまでがほんの数日で行われたから、日本がクラス3になるのは時間の問題だ。

 となれば、日本政府は他国から、日本人の入国を制限・拒否される前に、自国民の海外旅行、海外渡航を1日も早く自粛・禁止すべきだろう。少なくとも、海外団体ツアーは禁止すべきだ。そうでないと、今後、日本人が感染源となって、他国に多大な迷惑をかける。もし、日本発の感染が確認された場合、世界での日本の評判は地に落ち、日本人への信頼が失われる。

 中国政府は、1月25日の時点で、国民の海外団体旅行を禁止した。当時、中国本土の感染者数は1300人ほどだった。

 中国での感染拡大を受けて、1月27日、アメリカ国務省は渡航情報を1段階引き上げてレベル3にし、2月1日はレベル4にした。これは前記したように「渡航してはいけない」(Do Not Travel)だから、アメリカの航空会社は中国便の運航を全面的に停止した。アメリカがレベルを引き上げれば、世界中の国が追随する。

 そうならないことを祈りたいが、そうなる前、日本は自主的に、自国民の海外旅行、海外渡航を自粛・禁止すべきだ。

作家、ジャーナリスト

1952年横浜生まれ。1976年光文社入社。2002年『光文社 ペーパーバックス』を創刊し編集長。2010年からフリーランス。作家、ジャーナリストとして、主に国際政治・経済で、取材・執筆活動をしながら、出版プロデュースも手掛ける。主な著書は『出版大崩壊』『資産フライト』(ともに文春新書)『中国の夢は100年たっても実現しない』(PHP)『日本が2度勝っていた大東亜・太平洋戦争』(ヒカルランド)『日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか』(ソフトバンク新書)『地方創生の罠』(青春新書)『永久属国論』(さくら舎)『コロナ敗戦後の世界』(MdN新書)。最新刊は『地球温暖化敗戦』(ベストブック )。

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