「舞いあがれ!」舞と柏木と貴司の関係はどうなる? 制作統括に聞いた
朝ドラこと連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK)、ヒロイン舞(福原遥)が航空会社に就職しいよいよパイロット!と思った矢先、リーマン・ショックで入社延期。五島で翼を休ませることになります。
「五島に戻った舞が祥子ばんば(高畑淳子)や貴司(赤楚衛二)との再会、朝陽少年(又野暁仁)との出会いを通して、改めてこれからのことを考える週になります」と制作統括の熊野律時チーフプロデューサーが語る第12週。脚本はメインライターの桑原亮子さん。
「大きなテーマとして掲げている、舞がさまざまな人たちの気持をすくいあげる人物であるということに立ち戻る、物語全体のなかでもかなり大事な週になっていると捉えています」と熊野CPが語るように、舞が島でばんば、貴司、朝陽少年と触れ合う場面はほっこりします。
熊野CP が取材会に出席、記者たちの取材へ回答したもののなかから気になる部分を並べてみました。
貴司は朝陽くんとの出来事を通して、舞と大事なものを共有
◯ばんば
「久々に会った舞とばんば。これまで自力でがんばって、舞なりに積み上げてきたにもかかわらず、立ち止まらざるを得なくなったときの焦りやなんともいえない気持ちをばんばにだから話せます。そこでばんばが自分の体験から引き出された言葉を舞に語ります。第7週とはまた違って、大人になった舞にかける言葉は変わってくることがわかるしみじみしたいいシーンになっていると思います」
◯貴司
「第7週の、折れてしまいそうな貴司から一転して、あちこち旅をしてそこで労働することに手応えを感じ雰囲気が変わっています。繊細さは残しながらたくましくもなって、貴司のなかで新しいことが芽生えていることを赤楚さんが的確に表現してくれています」
◯柏木と貴司、舞はどうなる?
「柏木はおつきあいをはじめて『舞』と呼ぶようになり、貴司は朝陽くんとの出来事を通して、舞と絶妙な距離感で大事なものを共有していますが、3人の関係が今後どうなるかは秘密です」
◯朝陽少年の生きづらさ
「桑原さんと物語をつくるうえで重要な点としていたことのひとつに、生きづらさを抱えている人――いわゆるふつうの場所から零れ落ちそうだったりしんどい思いに悩んでいたりする人に目を向けるヒロインであってほしいということがあります。第12週で舞が、生きづらさを抱えている少年と出会って一緒に何かすることで気づきを得て、あとになってそれが大事な時間だったと受け止めることができる。そういうエピソードを入れられたらと思って朝陽くんを描いています。演じている又野さんは朝ドラ出演4作め。演技は的確、素顔はほがらかでかわいらしく、撮影現場を楽しんでくれていました。撮影に出てきたかんころ餅をクリスマスに食べたいというほど好きになったそうです」
◯南天の実
「南天の実を星にするのは脚本家の桑原亮子さんのアイデアです。南天は、難を転じるという意味合いもあって、物語の状況と重ね合わせることもできる素敵なアイデアだと思っています」
◯朝ドラは水曜日にことが動く?
「それを意識しているわけではないです、週5回を一区切りにしていかに魅力的な展開にできるか意識はしていますが、特定の曜日に何かが起こるように決めているわけではありません」
◯柏木の電話番号は目黒さんの誕生日を意識したもの?
「とくに意識はしていないですが、解釈はお任せします」
「舞いあがれ!」メインライター再登板もリーマンショックをどう描く? では猫の登場はとくに法則はないとばっさりだった熊野CP 。電話番号などのネタ系の質問にはあっさりばっさりですが、少年の生きづらさや南天の実については丁寧に答えてくださいます。南天は難を転じると言われる縁起物。向かい風を受けて飛ぶ凧も難を生かすアイテムです。辛いことを乗り越えていくというメッセージがドラマの通奏低音になっています。
連続テレビ小説「舞いあがれ!」
総合:月~土 午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00 ※土曜は1週間の振り返り
BSプレミアム・BS4K:月~土 7:30〜7:45、出演:
福原遥、横山裕、赤楚衛二、山下美月、長濱ねる、哀川翔、目黒蓮、鈴木浩介/永作博美、高橋克典、高畑淳子 ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太