8月のホームラン。大谷のライバルが最も多く、ナ・リーグはクロン兄が最多。大谷と筒香はどちらも5本
8月に最も多くのホームランを打ったのは、12本のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)だった。ペレスは、その前の4ヵ月も毎月5本以上。シーズン全体の38本は、すでにこれまでの自己最多を11本も上回り、捕手では6人目(延べ8人目)の40本を目前とする。現時点でア・リーグ1位の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とは4本差。本塁打王を獲得すれば、出場試合の75%以上で捕手を務めた選手では、1970年と1972年のジョニー・ベンチに続く2人目(延べ3人目)となる。シーズン40本以上の捕手は、こちらにリストを掲載した。「ア・リーグ史上初となる「シーズン40本塁打の捕手」が誕生!? 8月半ばに30本到達」
ケビン・クロン(広島東洋カープ)の兄であるC.J.クロン(コロラド・ロッキーズ)は、ペレスに次いで多く、ナ・リーグでは最多の月間11本を記録した。こちらのシーズン本塁打は、2018年の自己最多まであと5本だ。今シーズンの25本中17本は打者天国のクアーズ・フィールドで打ったものだが、8月はアウェーでのホームランが5本を数えた。また、6月から3ヵ月続けて、満塁本塁打を1本ずつ打っている。それについては、こちらで書いた。「クロンの兄がシーズン3本目の満塁本塁打を打つ。あと1本打つと、シーズン記録の歴代トップ10入り」
8月に8本以上の20人中、それまでの4ヵ月との差が最も大きいのは、アンソニー・サンタンダー(ボルティモア・オリオールズ)だ。4月~7月の64試合で6本に対し、8月は26試合で8本を記録した。その8本目は、大谷から打った。2019年と2020年も、サンタンダーは8月に8本。他の月は、5本に達したことがない。
ホゼ・ラミレス(クリーブランド・インディアンズ)は、4月が7本、5月が6本、6月が5本、7月は4本。毎月1本ずつ本数を減らしていたが、8月は、6月と7月の合計と同じ本数を記録した。
ラミレスと同じく8月に9本のパトリック・ウィズダム(シカゴ・カブス)は、5月下旬にAAAから昇格後、パワーを発揮し続けている。前年までのホームランは通算43試合で4本だが、2017年と2019年はAAAで31本を記録した。9年前のドラフト全体52位。8月27日に30歳を迎えた。今シーズンはブレイク・イヤーと言っていいだろう。ただ、三振率は39.9%と高い。四球率は8.1%だ。
なお、8月半ばにピッツバーグ・パイレーツと契約した筒香嘉智は、そこから5本のホームランを打っている。8月の本数は、大谷と同じだ。8月20日~31日に限ると、筒香の5本は、ペレスの8本、ウィズダムの7本、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)の6本に次いで多い(筒香以外にも4人が5本)。一方、大谷は5ヵ月連続5本以上。大谷とペレスの他に、4月からこのストリークを継続しているのは、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)、マーカス・シミエン(ブルージェイズ)、マット・オルソン(オークランド・アスレティックス)、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)、フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)の6人だ。ゲレーロJr.は5月連続6本以上。フリーマンはシーズン30本に達しておらず、8月を終えて28本だ。