クロンの兄がシーズン3本目の満塁本塁打を打つ。あと1本打つと、シーズン記録の歴代トップ10入り
弟のケビン・クロン(広島東洋カープ)と違い、3歳上のC.J.クロン(コロラド・ロッキーズ)は、好調なシーズンを過ごしている。
打者天国のクアーズ・フィールドをホームとし、その恩恵を受けているとはいえ、8月9日時点の打撃成績は、打率.257(296打数76安打)と出塁率.366、18本塁打と二塁打14本、OPS.859だ。過去7シーズンの出塁率とOPSは、出場13試合の2020年に記録した.346と.894が最も高く、それを除く6シーズンは、いずれも250打席以上で出塁率.330未満とOPS.820未満だった。2月にマイナーリーグ契約を交わし、年俸は100万ドルということを踏まえれば、ロッキーズにとっては、かなりの掘り出し物と言えよう。
なかでも、際立つのは、満塁本塁打の多さだ。6月17日と7月16日に続き、8月8日にシーズン3本目の満塁本塁打を打った。昨シーズンまでは、2016年7月1日と2017年5月21日の通算2本。今シーズンは、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)も3本のグランドスラムを記録しているが、満塁時の打席と打数は、C.J.のほうが少ない。アルトゥーベの15打席と11打数に対し、C.J.は10打席と8打数だ。
シーズン3本目の満塁本塁打により、C.J.はロッキーズの球団シーズン記録を塗り替えた。また、現時点ではナ・リーグとア・リーグの球史におけるシーズン記録の25位タイだが、あと1本打つと、いきなりトップ10にランクインする。最多のシーズン6本がドン・マッティングリー(1987年)とトラビス・ハフナー(2006年)の2人、5本が4人、4本は18人なので、C.J.もアルトゥーベも、4本目を記録すると、歴代7位タイとなる。
ちなみに、C.J.とケビンの父であるクリス・クロンは、メジャーリーグで12試合しか出場しておらず、ホームランは打っていない。満塁で打席に立つこともなかった。ケビンも、メジャーリーグで打った6本のホームラン――2019年に6本、2020年はゼロ――のなかに、満塁本塁打はなし。今シーズンは、ここまでに一軍で記録した6本塁打中、5月19日のシーズン4本目がグランドスラムだ。