虎ノ門ヒルズにあるアンダーズ 東京で「秘密のディナー」が開催 何が体験できるのか?
隠れ家レストラン
隠れ家レストランは人気があります。
その理由は、自分だけが知っていて優越感をもてたり、特別なロケーションに位置していてドキドキ感があったりするからです。
隠れ家レストランは、街場では少なくありません。しかし、ホテルのレストランとなると基本的に広く開かれているので、あまり見かけられないものです。
そのような状況で、東京のランドマークのひとつである虎ノ門ヒルズに入居するアンダーズ 東京には、知る人ぞ知る隠れ家レストランがあります。
それは「一期一会の美食体験シリーズ」と題された「ザ タヴァン シークレット キッチン」です。
ザ タヴァン シークレット キッチン
「ザ タヴァン シークレット キッチン」とは「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」で開催されるガラディナーです。
話題のシェフを招聘する注目のシリーズで、これまで5回開催されました。
第1弾 ホアキン・エリゾンド(Joaquin Elizondo)氏@ZEA(台湾)/2024年2月22日~25日
第2弾 森大祐氏@匠(香港)/2024年4月3日~7日
第3弾 アレクシィ・モコ(Alexis Moko)氏@Moko(京都)/2024年5月6日~12日
第4弾 ジョアンナ・ユアン(Joanna Yuen)氏@otera(香港)/2024年6月14日~16日、20日~23日
第5弾 吉川倫平氏@Pignon(東京)/2024年7月3日~7日
第6弾 ガストン・リベイラ(Gaston Riveira)氏@ラ・カブレラ(アルゼンチン)/2024年8月29日~9月1日
今回紹介する第6弾は、アルゼンチン・ブエノスアイレスのステーキの名店「ラ・カブレラ 」創業者で、オーナーシェフのガストン・リベイラ氏を招聘。
「ラ・カブレラ」は「ラテンアメリカのベストレストラン50」「世界101のベストステーキレストラン 2024」でランクインした世界的なレストランです。
リブロースなど最高級の牛肉を幅広く取り揃えており、豚肩ロースの煮込みといった定番料理やマッシュポテトなどのサイドディッシュにも定評があります。地元の人々や観光客に長年愛されており、ブエノスアイレスの食の伝統を象徴するステーキハウスとして認知されています。
イベントの流れ
当日は2部構成という流れになっていました。
18時30分から「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」のラウンジエリアでウェルカムドリンクを楽しんだ後に、19時からプライベートルーム「キッチンテーブル」で「ラ・カブレラ」の料理を体験。
「スペシャルコースメニュー」(15,400円)に「ワインペアリング」(7,000円)がオプションで付けられるので、料理に加えてワインもしっかりと楽しむことができます。
当日のコースを詳しく紹介しましょう。
ミルクブレッド チョリパン クラシック チミチュリ
最初はホットドッグ風のフィンガーフード。甘味のあるブリオッシュ生地のパンにソーセージを挟み、アルゼンチン発祥のソース「チミチュリ」を合わせました。オリーブオイル、パセリ、青唐辛子がとても爽やかです。
プロボローネチーズと玉葱のエンバナード
洋梨のクレオール エムルションソース
ベイクドミート エンパナード タイムシロップ
「エンパナーダ」はアルゼンチンで家庭の味として広く親しまれている具入りのパン。パンで包むという意味のスペイン語およびポルトガル語「empanar」から派生しました。
エンパナーダは2種類の盛り合わせになっていました。オニオンとチーズのエンパナーダはとろっと口溶けのよい食感で、挽き肉のエンパナーダはジューシーな肉感があり、スポイトに入ったタイムのシロップで味変を楽しめます。どちらとも皮がパリパリで、フィリングがたっぷり。爽やかな洋梨のクレオールエムルションソースを合わせてもおいしいです。
ビーフアイラッシュ トリュフオイル マッシュポテト
ガストン氏は、肉を52度から58度で焼き上げるというこだわりがあります。絶妙な温度で火入れするので、脂はありながらも、赤身の旨味をしっかりと湛えたステーキに。肉を重ねており、赤身部分が眉毛に見えることから「ビーフアイラッシュ」と命名しました。付け合せは、なめらかなマッシュポテトで、トリュフオイルが香り高いです。コンディメントも豊富で10種類以上が用意されているので、好みで加えると、味わいが変わります。
メダイヨン リブアイステーキ フレンチフライ フライドエッグ
「メダイヨン」は楕円形や円形に近い形の大きなステーキのことで、フランス語で「大きなメダル」を意味します。「リブアイ」はリブロースの中心にある希少部位。霜降りになっていて、きめこまやかなテクスチャです。フレンチフライとフライドエッグが添えられるのが「ラ・カブレラ」のスタイルで、実にボリューム満点。
スクープ ドルチェ デ レッチェ アイスクリーム
ピスタチオ アイスクリーム コーンワッファー
少し塩を効かせたミルクキャラメルのアイスクリームとピスタチオのアイスクリーム。大きなウェハー型のコーンも添えられているので、崩しながら一緒に食べると、よりおいしくなります。
アルゼンチンのワイン
日本で南米のワインといえば、チリワインがよく飲まれています。当日は、日本では珍しいファミリア・ズッカルディのアルゼンチンワインを中心に提供されました。ファミリア・ズッカルディは、1963年に設立した銘醸地メンドーサに本拠を置く有名ワイナリーで、世界60か国以上に展開し、高い評価を得ています。
「ファミリア・ズッカルディ ヴィダ オーガニカ スパークリング」は手摘みの有機栽培ぶどうのみを使用した、シャルドネ主体のスパークリングワイン。きめ細かい泡で、バナナやパイナップルなどの香りが爽やかです。
「ファミリア・ズッカルディ ズッカルディ ホセ マルベック」は漆黒の深い赤色。スパイシーさが印象的で、エレガントで力強いストラクチャーは、肉料理と相性抜群。
特別感のあるディナー
様々な素晴らしい料理とワインを体験できましたが、「ザ タヴァン シークレット キッチン」の醍醐味はそれだけではありません。
ガストン氏の調理パフォーマンスを鑑賞できたり、料理が提供される度にイラストを片手に説明してくれたり、小菓子のロリポップを自らゲストにサーブしたりと、特別感がありました。
最後にメニューが手渡されますが、ここでもサプライズがあります。選んだメニューの裏にガストン氏のサインと共に王冠などが描かれていたら、著書やエプロンがプレゼントされたのです。
世界各地から著名なシェフを招聘して、密やかに行われる「ザ タヴァン シークレット キッチン」。おいしい料理やお酒を体験できるだけではなく、シェフとの距離感も非常に近いので、今後の開催が楽しみです。