【H3ロケット 遂に実用段階へ】7/1(月)昼12時H3の3号機を打ち上げ、だいち4号を搭載
7月1日昼12時、H3ロケット3号機の打ち上げが予定されています。今回の打ち上げはH3にとって非常に重要な意味を持っています。なぜならH3は今回の3号機から、初めての実用段階に入るのです。
本記事では、H3初号機から3号機に至るまでの変遷を解説していきます。
H3ロケットが描く将来打ち上げ計画、増強型H3ロケットとは?
■初号機での失敗と、2号機での搭載衛星の変更
H3の初号機は試験機として位置づけられていました。2023年3月の打ち上げでは、電気系統のトラブルから第二段エンジンの点火が開始されないという不具合に見舞われます。結果として空中にて指令破壊となり、ペイロードであった地球観測衛星「だいち3号」が失われることとなりました。
続いて、同じく試験機として位置づけられているH3ロケット2号機では、今回のペイロードである「だいち4号」が当初は搭載される計画でした。しかし、H3ロケット1号機の打ち上げ失敗により、地球観測衛星「だいち3号」を失ってしまったことから、H3 2号機に実用衛星を搭載することに対して様々な議論が行われてきました。
特に、H3 2号機も失敗しだいち4号を失ってしまった場合、日本の観測や防災の観点で深刻な空白期間ができてしまうということが懸念されます。そのため、だいち4号の搭載は見送られることとなりました。
その代わり、ロケット飛翔中の性能を確認するための計測ペイロードと、小型衛星を2機搭載する方針となります。もちろん、たとえ打ち上げが失敗し衛星を失ったとしても、JAXAは補償しないという約束のもとで、応募側もリスクを承知の上で衛星を搭載します。
■2号機での打ち上げ成功から、満を持して実用段階へ
そして、2024年2月17日、H3 2号機の打ち上げが実施されます。2号機では、初号機で確認不足であった全ての電子機器を点検し、ショートが発生したと推定される部品を全て取り替える対策を施しています。
そして、結果は見事成功。小型衛星の軌道投入をはじめ、性能確認用ペイロードの分離動作確認も無事に完了したとのことです。
2号機が成功したことで、今回の3号機では満を持してだいち4号の打ち上げとなります。地球観測衛星を無事に軌道投入できれば、H3は実用ロケットとしての運用が可能であることを示せるのです。H3は将来的に、年間6機の打ち上げを目指しているとの事です。早くH3がバンバン打ちあがって大活躍する日を見たいですね。
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