UFO?サンタとトナカイ?銀河鉄道?夜空を駆ける謎の発光体、その正体は大量のスターリンク衛星
今年のクリスマスも大忙しだったサンタクロースですが、最近では夜空を飛んでいる姿も度々目撃されているようです。本記事では、一瞬UFOとも見間違えてしまいそうな人工物「スターリンクトレイン」をご紹介します。
■人工衛星が列になって進む「スターリンクトレイン」
まるで銀河鉄道のようなこの光は、スペースX社が運用しているスターリンク衛星です。スターリンクはスペースX社が運用している衛星コンステレーションサービスです。その目的は、全世界を高速通信ネットワークで繋げる壮大な計画です。
2018年の打ち上げから2024年時点ですでに6000機以上の衛星が軌道に投入されています。必要な衛星数はなんと4万2000機、途方もない数字ですね。SNSでも多数の目撃情報があり、人工衛星が夜空を列になって進んでいることから、「スターリンクトレイン」と呼ばれています。
ロシアのウクライナ侵攻時には破壊された通信機器の代替手段として、ウクライナにスターリンクサービスが提供されていました。一方で、おびただしい数の衛星が太陽光を反射しながら夜空を通過するため、天体観測の妨げになると声が上がっています。
さらには、スペースデブリの増加も懸念されており、スターリンク衛星は1日あたり100回以上もデブリからの回避行動をとっているとの事です。
■過去には太陽フレアで制御不能になることも
ここまで多くのスターリンク衛星を運用しているとなると、果たして故障などは起きていないのでしょうか。実は、11年周期で極大期を迎える太陽フレアにより、スターリンク衛星は多大な影響を受けているのです。
太陽フレアで発せられた強力な電磁波やガスは地球にも到達し、飛行中の航空機のセンサーや私たちが普段使っている電気など、様々な悪影響を与えます。そして、太陽フレアは地上だけではなく人工衛星にも影響を及ぼしているのです。2022年にはスペースXが大量に打ち上げているスターリンク衛星のうち、約40基が制御不能となり、大気圏に落下しています。
遂に宇宙でも交通整理や環境問題対策が必要な時代が来ているのかもしれませんね。
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