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苦手を克服する方法。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、
「苦手なものにどう対処していけばいいのか?」
そして、「苦手を克服する方法」についてお話いたします。

では早速。
私は、「10代の頃は、苦手の克服に力を注ぐべきだ」と思います。たとえば、テストがあったとして、苦手科目30点を60点にするのは、それほど難しくないと思いますが、得意科目70点を100点にするのは非常に難しい筈です。同じ30点アップでも、努力量が全然違ってきたりします。だから、なるべく、得意科目ではなく、苦手な科目に対して、勉強時間を割いて、どの教科も、そこそこ平均点以上、努力して取れるようになることが大切です。

よく「長所を伸ばせ」という言葉を聞くことがあるのですが、長所なんてものは、邪魔さえしなければ、放っておけば、自然に伸びるものです。だから10代の頃は、長所なんてものは伸ばそうと意識しなくても大丈夫です。

それよりも、短所を縮めたほうがいいです。どうしようもない短所を抱えたままだと、大人になってから大変に苦労します。だから、「自分の短所は10代の頃に克服したほうがいいし、苦手なことも20歳を迎えるまでには、克服しておいたほうがいい」というのが私の持論です。

私は今こうして1人で仕事をしていますが、やろうと思えば大勢で協力しながらでも仕事できます。普通にできます。人並み程度ぐらいにはできます。ただ、得意じゃないだけです。これは、10代の頃に自分の苦手を克服した賜物です。でも20歳を超えたら、社会人になったら、存分に自分の長所を活かして生きていったほうがいいです。そのほうが自分もラクだし楽しいし、社会にとっても有益なことです。

私のカウンセリングルームには「人間関係が苦手」と仰る人が訪ねて来ることが多いのですが、本来なら人間関係は、小学校・中学校・高校で学ぶべきでした。そこで苦手を克服しておくべきでした。そのつけが大人になってから回ってきたのだと思います。

さて、苦手を克服するためには、どうしたらいいのでしょうか?

まず、大切なのは、「その苦手を克服しなければならないのか?」ということを真剣に考えることです。たとえば、「ジェットコースターに乗るのが苦手」という人がいたとします。その人は、その苦手を克服する必要があるでしょうか? ジェットコースターに乗れなくて、生きる上において大きな不利益をこうむることがあるでしょうか? ほとんどないですよね。だったら無理して苦手を克服しなくてもいいのではないかと思います。

「いや、やっぱり苦手を克服したい」とおっしゃるのであれば、覚悟を決めることです。苦手を克服する方法はいくらでもあります。

たとえば、自分よりちょっと得意な人に、そのコツを聴いてみる。そしてこれが超重要なのですが、聴いたら、そのコツを実践するということです。そうすれば苦手を克服できます。

他には、最初にお金を支払ってしまう、という方法もあります。運動が苦手な人は、最初にお金を払ってジムに入ってしまう。そうすれば嫌々ながらも続けて、やがては運動が得意になっていきます。

他には、少しずつ成功体験を積み重ねていくという方法もあります。話すのが苦手な人は、最初は親しい人と1対1で話せるようになり、その次には、数人の前で話せるようになり、やがては大勢の人の前で話せるようになるということです。

今言ったように、苦手を克服する方法はいくらでもあります。大切なのは、克服するという決断ができるか? 決断したら実行し続けられるか? ということです。これがもっとも重要です。

私はカウンセラーとして、「苦手を克服したい」というクライアントの訴えを聴くことが少なくないですが、私が熱心にクライアントの話に耳を傾け、苦手を克服する方法を手取り足取り教えても、実際に苦手克服に向かって行動する人は非常に少ない…というのが実情です。

では、今日のまとめです。
1.10代の頃は、長所を伸ばすより苦手克服に力を注ぎましょう。
2.20歳を超えたら、長所を伸ばす方向に力を注ぎましょう。
3.苦手なものに対しては、克服する必要があるかどうか? 考えましょう。
4.苦手を克服する必要があると思うのなら、行動することに、お金と時間とエネルギーを投入しましょう。
以上です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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