楽天モバイルがポイント特典を強化 得意客をさらに優遇か
楽天モバイルが、11月1日から楽天市場でのポイント特典を強化します。本格的な有料化が始まることで「0円ユーザー」の解約が予想される中、楽天は得意客をさらに優遇する構えです。
楽天市場でのポイント特典を強化
楽天市場には、楽天のサービスを使えば使うほどポイント還元率が上がる「SPU」の仕組みがあります。
このポイント倍率は楽天市場で売られている商品の値段と一緒に表示されていることから、買い物をするときに意識している人も多いでしょう。
楽天モバイルの契約者は当初は+1倍でしたが、「0円廃止」にあわせて始まった追加の特典で+1倍、ダイヤモンド会員なら+1倍で、合計「+3倍」となっていました。
今回の発表では、11月以降も最大で「+3倍」という点は変わっていませんが、追加の特典がSPUに統合され、上限の計算方法も変わっています。
まず、特典がSPUに統合される効果としては、ポイント付与のタイミングが「翌月15日」に統一される点が挙げられます。
楽天の会員にとって毎月15日はSPUなどのポイントが一気に加算される日です。これまで追加の特典は月末でしたが、まとめて付与されることで分かりやすくなりそうです。
それに加えて上限の計算方法も変わり、11月1日からの上限は+2倍で6000ポイント、ダイヤモンド会員(+3倍)なら7000ポイントとなっています。
具体的に獲得できるポイントが増えるケースは、楽天市場での買い物金額が「10万100円(税抜)以上、50万円(税抜)未満の場合」としています。
税込で約11万円という金額は、楽天市場で頻繁に買い物をする人でも、なかなか高いハードルに感じるかもしれません。
筆者もそれほど多くの買い物はしないのですが、毎月Appleギフトカードを買い続ける「アップル貯金」をしており、その金額によってはもらえるポイントが少し増えそうです。
最大3倍という倍率に注目すると、SPUの中で最も大きい楽天プレミアムカードの+3倍(こちらは上限15000ポイント)と並んでいるのは興味深いところです。
まったく異なるサービスではありますが、楽天プレミアムカードの年会費は1万1000円、楽天モバイルは月額1078円(年間で1万2936円)と、保有コストは似ています。
どちらか1つでも持っておけばポイント還元率が大きく高まりますし、楽天のサービスを毎月しっかり使っている人なら両方を持っていても元が取れるでしょう。
得意客をさらに優遇か
楽天モバイルの「0円廃止」は段階的に進んでおり、9月からは利用料金を全額ポイント還元することで実質無料に、11月からは本格的に「有料化」が始まります。
そのタイミングで、解約が増えるのではないかとの見方があります。直近の解約率については、「(9月1日の)現時点で開示できる情報はない」(楽天モバイル広報)といいます。
11月からのポイント強化により、解約を阻止できるのか、という点は気になるところです。しかしこれまで同様、楽天市場で買い物をしない人に恩恵はなく、「お金を使わない人が出て行くのはやむを得ない」という考え方は変わっていないようです。
むしろ得意客をさらに優遇する施策を打ち出すことで、楽天モバイルのユーザーに楽天のサービスをもっと使ってもらいたい、という狙いが感じられます。