大谷が42本、ゲレーロJr.とペレスは39本と38本。本塁打王を分け合う可能性も。過去には…
現在、ア・リーグの本塁打1位と2位は3本差だ。1位と3位も、4本しか離れていない。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が42本、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が39本、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は38本だ。彼らに次ぐ4位の3人、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)、マット・オルソン(オークランド・アスレティックス)、マーカス・シミエン(ブルージェイズ)は32本なので、トップ3とはやや開きがある。
首位打者と比べると、複数の選手が本塁打王を分け合う可能性は高い。打点王や盗塁王などもそうだ。これまでに、複数の選手が本塁打王を獲得したシーズンは、ナ・リーグが21度、ア・リーグは12度を数える。
ナ・リーグの直近は、今から5年前の2016年だ。ノーラン・アレナード(当時コロラド・ロッキーズ/現セントルイス・カーディナルス)とクリス・カーターが、ともに41本のホームランを打った。アレナードは、この前年の42本も、ブライス・ハーパー(当時ワシントン・ナショナルズ/現フィラデルフィア・フィリーズ)と並び、リーグで最も多かった。ちなみに、3度目の本塁打王となった2018年は、チームメイトのトレバー・ストーリー(ロッキーズ)と1本差だった。最後の試合は9回表に、アレナードが38本目、ストーリーは37本目を2人続けて記録した。
ア・リーグは、12年前の2009年が最後だ。39本のカルロス・ペーニャとマーク・テシェーラが、タイトルを分け合った。
2人ではなく、3人以上が並んだことも2度ある。1890年のナ・リーグは、オイスター・バーンズ、マイク・ティアナン、ウォルト・ウィルモットの3人が13本ずつ。1981年のア・リーグは、トニー・アーマス、ドワイト・エバンス、ボビー・グリッチ、エディ・マリーの4人が、それぞれ22本のホームランを打った。1981年の本数の少なさは、ストライキによるシーズン中断を挟んだのが理由だ。最も多いチームでも、前期と後期を合わせて110試合にとどまった(ナ・リーグは111試合が最多)。この年、ナ・リーグではマイク・シュミットが31本を記録したが、他に25本以上の選手はいなかった。
40本以上で2人がトップに並んだのは、2015年と2016年のナ・リーグが、9度目と10度目だ。今シーズンのア・リーグは、大谷がすでに40本を超えているので、複数の選手が本塁打王を分け合った場合、40本以上の11度目となる。
この10度のうち、45本以上は2度。その最初は、ニューヨーク・ヤンキースのルー・ゲーリッグとベーブ・ルースがそれぞれ46本を記録した、1931年のア・リーグだ。他にチームメイトが1位タイは、デトロイト・ウルバリンズのダン・ブローサーズとハーディ・リチャードソンが11本ずつのホームランを打った、1886年のナ・リーグしかない。ゲーリッグとルースは、こちらで書いたエピソードもあり、同じ本数で並んだ。「走者追い越しによる幻のホームランが、過去にはベーブ・ルースに本塁打王をもたらしたことも」
2度目は1947年のナ・リーグで、ラルフ・カイナーとジョニー・マイズがともに51本のホームランを打った。翌年も本塁打王を分け合った2人は、この前年の1946年も僅差。カイナーが23本、マイズは22本だった。
今シーズン、大谷、ゲレーロJr.、ペレスが本塁打王を分け合うかどうかはさておき、観る立場からすると、最後までデッドヒートが繰り広げられることを期待したい。
なお、日本プロ野球の同じような事例については、こちらで書いた。