【札幌市中央区】知事公館のメムを観察しに行った!
今日は、北海道知事公館におじゃましました。
炭鉄港ガイドとしては、ここはなんといっても、かつて北海道の炭鉱や鉄道で隆盛を誇った三井の【三井別邸新館】として、創成イーストにある三菱鉱業寮とともに忘れる事ができません。
迎賓施設を兼ねた三井合名会社の「顔」としての施設でした。
その話は、また改めてしたいと思います。
今日は、水の方です。
このエリア一帯は、三井合名会社が所有する1915年以前は、なんと桑畑が広がっていたのです。
そしてその中でもこの知事公館のある場所は湧水(メム)があるので、北海道にやって来た庄内藩の宿泊所、やがて開拓使の桑園事務所などがあった、大切なところです。
古い地図を見ていると、少なくともここには2つのメムと、あと1つ、メムまたは流入した小川かの記載が見えます。もしかするとメムに相当するものが大小3つあったのかもしれません。
まず、入口近く。
北1条通りの入口から入ります。
すぐ左手に、いきなり深い谷筋があります。高低差は2m程度。ここがメムなのか、もっと上流があった川の流れの一部なのかわかりませんが、おそらくメムだったろうと思います。
裏手に行くと【桑園碑】がありますよ。そこから壁の内側にそって、ちょっとした散歩道もあります。
次に、入り口から右に入ったところ。
ここはマップを見ると、かつては明らかにメムがあったんだろうなと。落差は同じく2m程度。
そして、森の中に。
アート作品を超えて(安田侃さんの作品はピクニックで使っていたので写真を断念。)、森の中に高低差2.5m程度のなだらかな丘の窪地に、今は整備されていますが、大きなメムの跡があります。
現在は、3箇所とも水道水などを使い、当時の流路を整備して憩いの場所を提供してくれています。
これらから流れ出た水は、ひとつの流れにあつまり、残念ながら現在は敷地外に流れ出ることはありませんが、かつてはこうして小川が形成されていたのだろうなと推察できます。
そして、さらに。
知事公館に隣接した北側のブロックにも、もうひとつそれらしきものがあったと古地図には見えます。
ここは比較的早くに消失したメムなのかも知れませんが、この人口の歩道の高低差に、もしかしたら、その名残があるのかも知れません。
また知事公館のすぐ北の道路の段差からも、かつてこの辺りに水流があったのだろうなと予想できます。
これらの流れは、現在の植物園にあった複数のメムの流れとともにセロンペツ川となり、最終的には石狩川水系に合流していました。
ちょうど最近、大通ウエストと呼称されるエリアが、このセロンペツ川の各源流の上流部となるというのも、面白いですね。
セロンペツ川や、それに隣接したサクシュコトニ川についてはまた調べて書きます。
★北海道知事公館
場所:札幌市中央区北1.2条西15.16丁目
開園:9/30までは8:45-17:30
公式サイトは、こちら。