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エンジェルスを去ったGMが作り上げた2チームは、どちらもポストシーズンへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.モレノ(左端)、B.エプラー(左から4人目)Dec 9, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・メッツは、ナ・リーグ東地区の首位に立っている。シアトル・マリナーズは、ア・リーグ西地区の2位ながら、ワイルドカードの3番手に位置している。両チームとも、このままいけば、ポストシーズン進出となる。

 メッツのビリー・エプラーGMとマリナーズのジェリー・ディポートGM(現在の肩書きは、ベースボール・オペレーションのプレジデント)は、どちらもロサンゼルス・エンジェルスのGMだった。

 直近のエンジェルスのGM4人は、ディポート(2011年10月~2015年7月)、ビル・ストーンマン(2015年7月~2015年10月)、エプラー(2015年10月~2020年9月)、ペリー・ミナシアン(2020年11月~)だ。現職のミナシアンだけでなくストーンマンも、シニア・アドバイザーとして、現在、エンジェルスに籍を置いている。ちなみに、ストーンマンは、1999年11月から2007年10月まで、エンジェルスのGMだった。2015年の数ヵ月は、GM不在期間の穴埋めだ。

 ディポートもエプラーも、GMとしては、それぞれ、マリナーズとメッツが2球団目。もしかすると、エンジェルスは、惜しい人材を失ったのかもしれない。ディポートGMの3シーズン目となる2014年に、エンジェルスは地区優勝を飾った。その後、ポストシーズンに進むことはできてない。また、エプラーがGMを務めていた期間はすべて負け越したものの、2017年のオフには、大谷翔平と契約することに成功している。ディポートは辞任し、エプラーは解雇された。

 彼らと同じく、ミナシアンも、エンジェルスの前にGMの経験はない。オーナーが交代した後もGMにとどまれば、ディポートやエプラーのような2球団目ではないものの、再スタートという見方もできなくはない。現オーナーのアルトゥーロ・モレノの方針についての疑問は、1年前に「エンジェルスが強くなれない理由は、オーナーの「偏愛」にあり!?」で書いた。

 なお、2007年10月から2011年9月まで、ディポートの前にエンジェルスのGMを務めたトニー・リーギンスは、先月、WBCのチームUSAのGMに就任した。昨年のオリンピックでも、リーギンスはUSA代表のGMを務めている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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