シンプルで力強き『HEART』。TOKIO20周年武道館の日。
9月21日にCDデビュー20周年を迎えたTOKIO。11月2日には、全国ツアー『JRA 60th presents TOKIO 20th Anniversary Live Tour HEART』を武道館で締めくくった。その最終公演を取材。
この日の武道館はひときわ熱かった。なにしろ、20年前の11月2日はTOKIOがデビュー後初めて武道館でライブをした日なのだ。そう、これは20周年のアニバーサリーイヤーのツアーの最終日を飾る記念すべきライブ。
デビューから2013年までの楽曲の中からファン投票で選出された楽曲を順位順に収録したアルバムタイトル『HEART』を冠したライブは、まさに20周年の集大成。シンプルなステージが洗練されたライティングでさまざまに表情を変えるなか、1曲目の『Yesterday’s』から愛されつづけてきた名曲のかずかずを披露していく。
この夏は『JOIN ALIVE』や『SUMMER SONIC 2014』といった野外フェスに初参加。公演前の囲み会見で長瀬智也が「TOKIOのファン以外の人も来る場で、デビュー曲の『LOVE YOU ONLY』を歌ったときに、レスポンスがすごく大きかったんですよ。男性の方も女性の方もほんとみんな歌ってくれて」と振り返っていたように、20年のキャリアを通して彼らが思っている以上に多くの人に届いているTOKIOの楽曲。さらに、デビュー曲もそれぞれに経験を重ねた現在のTOKIOが演奏すると、当時とはまた違う味わいがあるのが音楽の素晴らしいところだ。男臭さを増し続け、『宙船(そらふね)』『雨傘』といった渋い大人歌はもちろん、ポップな楽曲もいっそう聴く者の胸に響かせる長瀬、ギターを弾くと俄然男前になる城島茂、ステージ上でも大きな包容力を感じさせる山口達也、客席を盛り上げ続ける国分太一、上半身裸でドラムを叩く姿もMCでのツッコミもいなせな松岡昌宏。水ト麻美アナを進行役に迎えての「TOKIOカルトクイズ」というお楽しみも交えつつ、“男も惚れる男たち”それぞれの個性が響きあう世界は、改めてバンドとしてのTOKIOの力強さと、彼らが積み重ねてきた時間の厚みを感じさせるものだった。
「20年間ね、僕らTOKIOとして、バンドでもやってきたし、バラエティ、ドラマ、いろんな仕事をみなさんとやらせていただいて、いろんな人と出会って、楽曲もいろんな人に提供してもらって。どんどん自分たちのカラダが、TOKIOというカラダが出来上がって。で、それをツールにみんなとこうやって楽しめるライブをやったり、番組をやったり。ほんとにいつもみなさんからの愛を感じてます」と、20年の感謝を語った長瀬。
20周年の感慨に目を潤ませる長瀬や、天を仰いで涙をこらえる国分。武道館を包む熱くて、温かい思いをさらに盛り上げていたのは、もちろん会場を埋めたファンの思い。年々増え続けている男性ファンの「智也、愛してるぞーっ!」「リーダー、ありがとーっ!」という声も印象的なら、「20年前はこんなに野太い声が飛び交うライブではなかった」と苦笑しながら「僕ら全員、女の子が好きなんですけど」という長瀬の言葉に、幅広い世代の“女の子たち”から大きな歓声が上がっていたのも印象的だった。
アンコールでは1階スタンド席の関係者席でライブを観ていた嵐が紹介され、TOKIOライブになくてはならない『JUMBO』に参加。生田斗真、KAT-TUNの中丸雄一、上田竜也、Hey!Say!JUMPの知念侑李、伊野尾慧、ふぉーゆーも登場して、一緒に跳ね回った。長瀬と肩を組んで『うぬぼれ刑事』ファンを喜ばせてくれた生田は、「取材を早く終わらせようとする松岡くんをやります!」と物真似も披露し、松岡本人をも爆笑させていた。「TOKIO 20thおめでとう!7348days」の垂れ幕がねじれてきれいに広がらないというアクシデントも、城島が「ウチららしくて、ええな」と笑うように、かっこつけないかっこよさが本当にかっこいい3時間20分近いライブ。
アンコールが終わっても鳴りやまないTOKIOコールに、再び姿を見せ、楽器を持たずに歌った『LOVE YOU ONLY』では、松岡の男っぽくも甘いボーカルがたっぷり聴けるというお楽しみも。それでもなお止まないコールのなか、城島が一本締めでライブを締めようとすると、客席からは「えーっ!」と再び驚きの声と笑いが。ボルテージが上がり続けるTOKIOコールに、遂にバンドメンバーを呼び戻して『LOVE,HOLIDAY.』を披露したダブルアンコール。20周年の武道館は、最後まで熱く、そしてTOKIOのライブらしい温かさが溢れていた。
【JRA 60th presents TOKIO 20th Anniversary Live Tour HEART】セットリスト
OVERTURE
1. Yesterday’s
2. Future
3. 花唄
【MC(メンバー紹介)】
4. LOVE,HOLIDAY.
5. LOVE YOU ONLY
6. 雨傘
7. 路傍の花
8. 君を想うとき
9. スベキコト
10. 僕の恋愛事情と台所事情
【MC】
11. Cadence
12. Symphonic
13. 宙船(そらふね)
14. リリック
15. AMBITIOUS JAPAN!
16. Julia
17. 自分のために
18.SONIC DRIVE!
【MC】
19. ハート
EN1. JUMBO
EN2. 城島SONG 2014
WEN1. LOVE YOU ONLY
WEN2. LOVE,HOLIDAY.