乗らない時はアルバイトしてくれる『テスラ』の『ロボットタクシー』自動運転イーロン・マスクの皮算用
KNNポール神田です。
■テスラの考える『ロボタクシー』とは…
イーロン・マスクは、いろんな意味で稀有な起業家だ。tweet発言で株主に提訴されたり、ジョニー・ディップの元妻のアンバー・ハードとの復縁と公私にわたり常識やぶれでユニークな活動を行っている。
今回、イーロン・マスクの『ロボタクシー』のアイデアは、まさに既成概念など、まったくないぶっ飛んでいるアイデアだ。『自動運転の新チップ』の発表もさながらだが、2020年内に新チップを搭載した『ロボットタクシー』をリースする計画だ。
一般の自動車は、週に12時間利用され、60時間は何もせずに車庫で眠っている。その時間をテスラは、オーナーとのレベニューシェアで『ロボットタクシー』に働かせようという計画だ。
■イーロン・マスクの皮算用では年間300万円儲かる!
イーロン・マスクの試算によると、完全自動運転のタクシー業の走行が法的に認められれば、年間3万ドル(300万円)の利益をオーナーに提供できるという。そして車体の走行可能年数は11年間だという。つまり、11年で33万ドル(3300万円)もの利益をオーナーに提供できるというのだ。もちろんテスラは、30%のコミッションを取るので年間9,000ドル(90万円)、11年間で9万9,000ドル(990万円)の利益を生むこととなる。
荒唐無稽なアイデアと一笑されそうなアイデアだが、これをイーロン・マスクが言うと、完全にそうとは言い切れない。常に『ビッグマウス』なイーロンだが、3〜4割は本当に実現してきているからだ…。テスラもロケットも地下トンネルも…。テスラは、いろいろと前途多難ではあるが、2020年には無理でも、10年くらいの長いスパンで考えると、きっと当たり前になっていることだろう…。
すると、2030年頃までには、100万台以上の『ロボットタクシー』が走行しているのは、決して夢ではないと思う。しかも、クルマの購入者、いやリース契約者が自分の乗らない時間が稼いでくれるということは、もはやクルマを所有するというよりも、不労所得の投資対象のサービスを購入という選択になってくることだろう。
これはすでに、もう自動車業界ではなく、不動産業界の一括借上げや、サブリースのビジネスモデルそのものである。この自動車メーカーの発想ではなく、サービスサプライヤーの発想になれるところが、テスラの一番の強みなのかもしれない。
TESLAの『オートノミー(自動経済)Day』プレゼンテーション(※英語)