乗らない時はアルバイトしてくれる『テスラ』の『ロボットタクシー』自動運転イーロン・マスクの皮算用
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00125153/top_image.jpeg?exp=10800)
KNNポール神田です。
□テスラが、投資家を対象としたイベントにて2020年よりAutopilotの最新バージョンを搭載するEVによるロボタクシー事業を開始すると発表。イベントではテスラが独自製造したAIチップを搭載する新たなAutopilot 3.0ハードウェアの発表も。
□テスラ車のオーナーは、運転しない時間帯はロボタクシーのネットワークに車を提供し、そこから収益を得ることも可能になる。
□ロボタクシー利用客は専用のモバイルアプリからまるでUberのようにテスラ車を呼び出して利用できるようになる計画
□乗車賃は一般的なライドシェアの場合で1マイルあたり2~3ドルであるのに比べ、無人のロボタクシーではマイル65セント程度の利益が得られるとしました。ただし、収益の25~30%はテスラの取り分になる
□テスラの試算によると、ライドシェアサービスの運営コストは現在1マイル(1.6キロメートル)当たり2~3ドル(220~330円)。完全自動運転になると10分の1以下の0.18ドルに下がるという。車両を1日に16時間稼働させれば1台当たり年間最大3万ドルの収益が得られるとの見通しも示した。車の所有者は自分が乗らない時間に自動運転モードで走らせ、収益を得られるようになるという。
■テスラの考える『ロボタクシー』とは…
イーロン・マスクは、いろんな意味で稀有な起業家だ。tweet発言で株主に提訴されたり、ジョニー・ディップの元妻のアンバー・ハードとの復縁と公私にわたり常識やぶれでユニークな活動を行っている。
今回、イーロン・マスクの『ロボタクシー』のアイデアは、まさに既成概念など、まったくないぶっ飛んでいるアイデアだ。『自動運転の新チップ』の発表もさながらだが、2020年内に新チップを搭載した『ロボットタクシー』をリースする計画だ。
一般の自動車は、週に12時間利用され、60時間は何もせずに車庫で眠っている。その時間をテスラは、オーナーとのレベニューシェアで『ロボットタクシー』に働かせようという計画だ。
■イーロン・マスクの皮算用では年間300万円儲かる!
![『ロボタクシー』が、年間3万ドルを11年に渡って稼いでくれると試算する 出典:TESLA](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00125153/image01.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
イーロン・マスクの試算によると、完全自動運転のタクシー業の走行が法的に認められれば、年間3万ドル(300万円)の利益をオーナーに提供できるという。そして車体の走行可能年数は11年間だという。つまり、11年で33万ドル(3300万円)もの利益をオーナーに提供できるというのだ。もちろんテスラは、30%のコミッションを取るので年間9,000ドル(90万円)、11年間で9万9,000ドル(990万円)の利益を生むこととなる。
荒唐無稽なアイデアと一笑されそうなアイデアだが、これをイーロン・マスクが言うと、完全にそうとは言い切れない。常に『ビッグマウス』なイーロンだが、3〜4割は本当に実現してきているからだ…。テスラもロケットも地下トンネルも…。テスラは、いろいろと前途多難ではあるが、2020年には無理でも、10年くらいの長いスパンで考えると、きっと当たり前になっていることだろう…。
すると、2030年頃までには、100万台以上の『ロボットタクシー』が走行しているのは、決して夢ではないと思う。しかも、クルマの購入者、いやリース契約者が自分の乗らない時間が稼いでくれるということは、もはやクルマを所有するというよりも、不労所得の投資対象のサービスを購入という選択になってくることだろう。
これはすでに、もう自動車業界ではなく、不動産業界の一括借上げや、サブリースのビジネスモデルそのものである。この自動車メーカーの発想ではなく、サービスサプライヤーの発想になれるところが、テスラの一番の強みなのかもしれない。
TESLAの『オートノミー(自動経済)Day』プレゼンテーション(※英語)