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東京都台東区/2024正月は上野・国立科学博物館へ!企画展「牧野富太郎と植物を観る眼」は1/8まで

デヤブロウ街歩きWebライター(東京都台東区)
東京帝室博物館(現︓東京国立博物館)で採集されたボタンの標本

◆ドラマ主人公のモデルになった牧野富太郎博士&植物標本等の展示

 明けましておめでとうございます。今回は上野・国立科学博物館のミニ企画展「牧野富太郎と植物を観る眼」を紹介いたします。

 2023年は連続テレビ小説「らんまん」(NHK2023年前期・作 長田育恵)が大きな話題になりました。植物学をテーマにしたドラマだけあって植物の繊細な描写が高評価となり、俳優・神木隆之介さんによる主人公・槙野万太郎の好演なども話題に。その万太郎のモデルになった牧野富太郎博士の企画展が、上野の国立科学博物館で開催中です。会期は1/8(月祝)まで。この機会にぜひ博物館詣&朝ドラ詣を!

◆科博・日本館1階中央ホールの荘厳さに包まれながら牧野博士の足跡を辿る

「牧野富太郎と植物を観る眼」会場の様子
「牧野富太郎と植物を観る眼」会場の様子

 今回の「牧野富太郎と植物を観る眼」は、筑波実験植物園のミニ企画展を大いに入れ替え、再構成したもの。会場は日本館1階の中央ホールで、企画展示室の企画展「第39回植物画コンクール入選作品展」と同時開催となります。

関東大震災からの復興建築の一つとして、1931年に竣工した旧東京科学博物館・本館(現︓国立科学博物館・日本館)の天井
関東大震災からの復興建築の一つとして、1931年に竣工した旧東京科学博物館・本館(現︓国立科学博物館・日本館)の天井

 科博の日本館と言えば、国の重要文化財にも指定された荘厳・華麗な建築美で知られています。科学と叡智の気配をたたえるドーム型の天井を仰ぎ観ながら、日本の植物学に触れられる空間はなかなかに貴重です。

 内容はホール内で4章、植物画コンクール入選作品展内に1章の、全5章立て。
 第1章「牧野富太郎ってどんな人」では、牧野博士の概要や生い立ち、経歴を紹介します。

牧野富太郎博士の人となりと活動を紹介するパネル
牧野富太郎博士の人となりと活動を紹介するパネル

 写真で残されている、少年のように朗らかな牧野博士の笑顔からは、植物への深い愛情と穏やかなお人柄が感じられますね。

 第2章「牧野富太郎の植物を観る眼」では牧野博士が遺した標本と植物画を、それらにまつわる解説とともに展示。

「牧野日本植物図鑑」2008年版(上)、初期版(下)
「牧野日本植物図鑑」2008年版(上)、初期版(下)

 博士の名著「牧野日本植物図鑑」の初期版と2008年版の比較もあり。

ヤマザクラの標本は上野公園で、ボタンの標本は東京帝室博物館(現︓東京国立博物館)で採集
ヤマザクラの標本は上野公園で、ボタンの標本は東京帝室博物館(現︓東京国立博物館)で採集

 上野公園や東京帝室博物館(現︓東京国立博物館)の中で採集された標本もあります。

 第3章「ドラマ『らんまん』の植物たち」では、実際に撮影で使用された植物レプリカや、撮影のために描かれた植物画などが並びます。

連続テレビ小説「らんまん」(NHK2023年前期・作 長田育恵)の撮影で使用されたノアザミのレプリカ
連続テレビ小説「らんまん」(NHK2023年前期・作 長田育恵)の撮影で使用されたノアザミのレプリカ

 ドラマに登場する多くの植物の監修は、国立科学博物館の研究員が担当されたとのこと。植物レプリカは本物と瓜二つで、実際に生育していそう。その精密さやリアリティに驚かされます。

連続テレビ小説「らんまん」(NHK2023年前期・作 長田育恵)で使用された植物画
連続テレビ小説「らんまん」(NHK2023年前期・作 長田育恵)で使用された植物画

 ドラマに使用された植物画はつくば市在住の植物画家、米田薫さんの作品。その中には「らんまん」の一場面と深く関わるものもあります。

 第4章「植物をじっくり観てみよう」では、様々な植物の葉の標本を展示。

展示されている葉のそれぞれに外形・特徴・見分け方の細かな解説が付いている
展示されている葉のそれぞれに外形・特徴・見分け方の細かな解説が付いている

 牧野富太郎博士の視点を追体験しつつ、植物を科学的に観るのがどういうことか、分かりやすく学習できます。

◆企画展示室の植物画コンクール入選作品展もオススメ

「第39回植物画コンクール入選作品展」会場の様子
「第39回植物画コンクール入選作品展」会場の様子

 お隣の企画展示室「第39回植物画コンクール入選作品展」には、小中高校生や一般応募者が描いた、巧みな植物画の数々が並んでいました。

写真手前のミズバショウは小学6年生の生徒が描いたもの
写真手前のミズバショウは小学6年生の生徒が描いたもの

 小中高校生の作品ながら、プロ顔負けの精密かつ美麗な植物画もあって、こちらも驚かされます。こうした機会を原体験として、牧野富太郎博士のように植物学を志す学生さんもいるかも知れませんね。

付属施設に関するパネル
付属施設に関するパネル

 同コンクール会場内に第5章「科博の付属施設に行ってみよう」のパネル展示がありました。国立科学博物館には、港区白金台に「附属自然教育園」、つくば市に「筑波実験植物園」の付属施設があります。この展示で植物学に興味を持った方は、付属施設で更に深く学んでみてはいかがでしょうか。

国立科学博物館 ミニ企画展「牧野富太郎と植物を観る眼」
【会場】

国立科学博物館
日本館1階・中央ホールおよび企画展示室
【住所】

東京都台東区上野公園7-20
【最寄駅】
JR上野駅・公園口から徒歩5分
【会期】
2023(令和5)年12月19日(火)~2024(令和6)年1月8日(月祝)
【開館時間】
9時~17時(入館は16時30分まで)
【休館日】
2023(令和5)年12月28日(木)~2024(令和6)年1月1日(月・祝)
【入館料】
一般・大学生:630円
※常設展示料金のみで入館可
※高校生以下および65歳以上無料
【リンク】
ホームページ

街歩きWebライター(東京都台東区)

カフェ・居酒屋探し、博物館・美術館見学、銭湯巡りや寺社探訪など、都心部の街歩きが大好き!特に都内で暮らし始めた頃に住んでいた浅草近辺、博物館・美術館が沢山ある上野界隈など、台東区内を月に2~3回は散策しています。東京23区でも面積最小ながら、歴史と見所が詰まった台東区の魅力を積極的に発掘・発信していきます!

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