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9月10日にiPhone発表イベント「By Innovation Only」開催

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
昨年、2018年9月12日のiPhoneイベント(筆者撮影)

Appleは報道関係者向けに、スペシャルイベントの招待状を発送しました。例年開催されるiPhone発表イベントになると見られております。

Appleが発送したメディア向け招待状(筆者キャプチャ)
Appleが発送したメディア向け招待状(筆者キャプチャ)

米国時間9月10日午前10時(米国太平洋夏時間、日本時間では9月11日午前2時)に、本社がある米国カリフォルニア州クパティーノ市にあるApple Park内「Steve Jobs Theater」を開催すると記されています。

毎回のスペシャルイベントには1行のメッセージがついていますが、今回は「By Innovation Only」(イノベーションのみ(によって))と付けられていました。

これまでのところ、新型iPhoneと新型Apple Watchが発表されると見られていますが、様々な予測やモックアップも明らかになっています。Bloombergなどが伝えている情報も総合すると、次のような内容になる、と考えられています。

- 新型iPhoneの名前は「iPhone 11」と「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」になりそう

- 上位モデルにはこれまでの広角、望遠に加えて超広角カメラが搭載され、新たな撮影機能も追加される

- 5G対応は見送り

- iPhone XR後継モデルには新色が追加される

- Apple Watchには新しいセラミックなどのケース素材も登場

- Apple Watchの有機ELディスプレイのサプライヤーに、、日本のジャパンディスプレイ

その上で、iPhoneの価格設定に注目が集まりますが、iPhone XRの749ドル、iPhone XSの999ドル、iPhone XS Maxの1099ドルという価格設定を無闇にいじらないのではないか、と思います。というのも、Apple Storeでの下取り強化に手応えを感じているAppleからすると、この価格で販売施策をしっかり取り組めば良い、と考えそうだからです。

ただ、新興国からすれば、やはりiPhone 7が449ドルに下がっていても「高すぎる」価格設定であることは間違いなく、そこにどう取り組むのか、考えておく必要があるのではないでしょうか。

これらの他にも、AirPodsの高音質版となるヘッドフォンや、TileのようなBluetoothを用いたなくしものトラッカーのようなデバイス、これらを拡張現実(AR)と統合したソフトウェアなど、iPhoneよりもその周辺のデバイスやソフトウェアにフォーカスが集まるかもしれません。

それにしても、「イノベーション」という言葉はAppleが兼ねてから使っているキーワードではありますが、上記の既存の流れを踏襲するにとどまるなら、ちょっと言葉負けしているようにも感じます。

それは、今回のテーマから外れる可能性もあるiPad Proの新モデルやMacBook Proの新サイズなどを含めても、同じことです。

今年のiPhoneを含め、ハイエンドスマートフォンは厳しい戦いを強いられることになることを考えると、AppleがSteve Jobs Theaterのイベントで、どんな隠し球を持っているのか、期待したいところです。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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