行楽の秋!東京国立博物館の茶室「応挙館」が期間限定で日本文化が体験できるカフェに!
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/top_1697599688173.jpeg?exp=10800)
ええっ!東京国立博物館の「応挙館」がカフェに???
あの歴史ある日本建築の応挙館ですよね???
どういうこと???
7 月のはじめ、このニュースを聞いた時にはにわかには信じられませんでした。
お茶会などでは利用できるが一般向けには内部は公開していない、由緒正しき日本建築の「応挙館」。
その中で抹茶などの日本文化体験や日本料理や日本酒などの飲食が可能なんて!
これは大いに気になる!ぜひ詳しいお話しを聞きたい!と取材にうかがいました。
すごい・・・内容も素晴らしく一つ一つが本物で!濃厚な体験!
外国人だけではなく日本人も日本のことを知る機会になる!
「TOHAKU茶館(ちゃかん)」はまさに日本文化の魅惑の館でした!
いざ、上野の東京国立博物館へ!
JR上野駅の公園口を出て上野公園を右に進むと、どっしりとした東京国立博物館の本館が見えてきます。
![昨年150周年を迎えた日本で最も長い歴史を持つ博物館「東京国立博物館」のどっしりと重厚な本館](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698260730147.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
昨年150 周年を迎えた東京国立博物館(以下「東博」と略)には国宝や重要文化財が数多く収められています。
定期的に展示替えのある常設展はもちろんのこと、国内有数の貴重な文化財や海外のコレクションが期間限定の特別展で見ることができる、国の宝ともいうべき博物館です。
その本館の内部も建築物として素晴らしく、重厚な大理石の内装はテレビや映画の撮影に使われたりしているので、見たことのある方も多いのではないでしょうか。
このほかにも展示を行う建物は平成館など沢山ありますが、意外と知られていないのが庭園です。本館の右側から入るとその奥に広い庭園があるのです。
![本館と東洋館の間に細い道が!ここをまっすぐ進むと、東博の庭園に出られます](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698147262294.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
今年の10 月からは新たな試みとして本館から直接庭園に出られるルートもできたそうで、少しずつ庭園を散策する人も増えてきたとか。
その庭園の中には歴史ある茶室がいくつか移築されており、木々の景色ともあいまって素敵な憩いの場となっています。
![東博のサイト掲載の地図。赤い丸で囲んだところが「応挙館」。その左側が「九条館」です](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698092032428.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
これらの茶室はこれまで茶道のお茶会への貸し出しやテレビや雑誌の撮影でのロケ地、そして東博主催のボランティア茶会などのイベントで利用されていたそうですが、それ以外の一般客への公開はありませんでした。
昨年私が訪れた際も外観を見るのみで、戸は閉まっており、中はどうなっているのだろう?と想像するばかり。
15年ほど前に台東区の外国人観光客向け茶道体験のお手伝いで九条館には入ったことがありますが、応挙館にはご縁がなく東博のウェブサイトで見るのみでした。
あの「応挙館」がカフェに?
そんな折、今年の7 月にびっくりするニュースが飛び込んできました!
7 月上旬から来年の1 月末までの期間限定で応挙館が「TOHAKU茶館」という日本文化体験とカフェのように飲食ができる施設として開かれるというのです!
東博の貴重な茶室の中で日本文化体験や飲食ができるとは!信じられない!と私は驚きを隠せませんでした。
そして、つい先日、念願かなって許可をいただき、取材をさせていただくことに。
前日はわくわくしすぎて遠足前の子どものようになかなか寝付けませんでした(笑)
いよいよ「TOHAKU茶館」へ!
秋晴れのさわやかな気候の中、東京国立博物館の庭園を散策していると見えてくるいくつかの日本建築。
その中でもひときわ目を引く立派な建物が「応挙館」です。
![応挙館へのプロムナード。手前にはTOHAKU茶館のメニューにもあるウィスキー「イチローズモルト」の樽がディスプレイされ、上にメニュー表が置いてある](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698092892785.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![建物に近づくと「TOHAKU茶館」のロゴがお出迎え](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093062765.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ご案内してくださったのは「TOHAKU茶館」の制作協力に関わる株式会社Air Media(エアーメディア)の金綾子(こんあやこ)さん。
![TOHAKU 茶館を取り仕切る「女将」の金綾子さん。TOHAKU 茶館の食品類や飲料、調度品に至るまでこだわりのセレクトでおもてなし](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093158276.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「訪日外国人の方々に届ける東京国立博物館で本物の日本文化、コト体験」をコンセプトに生まれたTOHAKU茶館のエントランスにふさわしく、美しい枝ぶりの盆栽や水石(すいせき)が飾られています。
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093292669.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
水石は一つの石の中に表情や景色を読み取るものなのだそう。
枯山水に似た楽しみ方ですね。
![こちらが「水石」。応挙館の中の床の間にもいくつか飾られており、何に見えるかは鑑賞する人の感性による](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093335191.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
入り口から入り、畳の上を進んで奥の間に行くと、床の間からふすまにかけて流れるような円山応挙(まるやまおうきょ)の絵がお出迎え!(現在は精巧に作られた複製。本物は博物館所蔵)
![広い床の間の壁やふすまには江戸時代の画家、円山応挙の松竹梅の絵が!(現在は複製で本物は博物館内に収められています)床の間には「水石」も飾られていて一つの景色となっています](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093465864.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![写真に収まりきらないほど広範囲に描かれた円山応挙の流れるような筆致は一見の価値あり!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093481618.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
東博のウェブサイトの説明によると、応挙館は
尾張国(現在の愛知県大治町)の天台宗寺院、明眼院(みょうげんいん)の書院として寛保2 年(1742)に建てられ、後に東京品川の益田孝(鈍翁・1848~1938)邸内に移築、昭和8 年(1933)当館に寄贈され、現在の位置に移されました。
室内に描かれている墨画は、天明4 年(1784)、円山応挙(まるやまおうきょ、1733~1795)が明眼院に眼病で滞留していた際に揮亳したものであると伝えられています。松竹梅を描いた床張付がのこされています。
墨画は保存上の理由から収蔵庫で保管されていますが、2007 年、最新のデジタル画像処理技術と印刷技術を駆使した複製の障壁画が設置され、応挙揮毫当時の絵画空間が応挙館に再現されました。
木造平屋建て、入母屋造、瓦葺き、間口15m、奥行き9m、2 室、廻り廊下を巡らしています。
とあります。
その歴史を感じながら円山応挙の絵を鑑賞しつつ、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと過ごすことができます。
TOHAKU茶館で楽しむ抹茶体験
人気の抹茶体験
この日は外国人のお客様も多く、人気の「抹茶体験」には4名の方々が参加されていました。
講師は金悠紀( こんゆうき) さん。女将の金さんの娘さんでカナダに留学経験があるそう。
英語での茶道や抹茶についての簡単な説明の後、道具の説明と、デモンストレーションを行います。
![真剣に講師の金さんの手元を見る参加者の皆さん](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698093940004.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
参加者の皆さんも講師の金さんの手元を見ながら説明を聞き、いざ実践!
![お茶碗に抹茶とお湯を入れて、シャカシャカ!とっても楽しそうです!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698094017513.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
初めての体験なのに皆さんとても上手です!
講師の金さんからも「Good!」サインが!
和気あいあいでとても楽しそうです。
シャカシャカと抹茶をたてていると香りも楽しめますね。
お菓子を食べてから各自一碗抹茶を点てて、ゆっくりと味わいます。
五感で楽しむ抹茶体験は参加者の皆さんも自然と笑顔があふれていました!
抹茶体験参加者にインタビュー
抹茶体験の後に参加者の方々に感想をうかがってみました。
カリフォルニアとサンフランシスコからの大学時代のお友達グループだそうで、仲の良さが伝わってきます。
「この素敵な雰囲気の建物の中で抹茶をたてて飲むことができてうれしい! 」
「抹茶や抹茶ラテはアメリカでも飲んだことがあるけど、初めて自分でたてた抹茶の味は格別!良い経験ができた」
「ちょっと苦味があるところがお菓子の甘さとよく合っておいしい! 」
と、抹茶をたてる日本文化体験と抹茶の味の両方を楽しんだご様子。
私の個人的な興味から、アメリカにおける日本茶についてもうかがってみました。
「抹茶ラテや抹茶スイーツはアメリカでもとても人気があります!」
「ほうじ茶は抹茶ほどではないけど最近少しずつ増えてきていますよ」
「煎茶などリーフティーはそこまでポピュラーではないけど、ITOEN( 伊藤園)は有名です」
( アメリカで緑茶のペットボトルも販売されています)
と皆さんにこやかにお話しくださいました。
ぜひこれからも抹茶をはじめ日本茶も楽しんでいただきたいです!
TOHAKU茶館で日本文化体験を!
TOHAKU茶館では、抹茶体験の他に着付け体験やZEN呼吸体験ができます。
着付け体験では三部式の着物の着付けを体験するほか、それを着て博物館の中や庭園を散策することもできます。
茶室や庭園で着物を着て写真を撮ると「ザ・日本文化!」な画になりそうですね!
![写真の他にも様々な柄の着物が着られます。三部式なので短時間で着付けできるとのこと。サイズも女性は2 サイズ、男性は3 サイズあるそう](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698094429532.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
もう一つの人気の日本文化体験「ZEN呼吸体験」は応挙館の隣の「九条館」で開催されています。
講師の方の英語での説明を聞きながら、心静かに呼吸を整える体験ができます。
![応挙館から九条館へのプロムナードに「ZEN 呼吸」の案内の看板があります](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/nihonchanavitomoko/article/00607958/internal_1698094507532.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
九条館も普段は入ることができない建物です。
床の間や襖には狩野派の絵が描かれており、この機会に中を見られるのはとても貴重です!
体験は全て予約制ですが、空きがあれば当日に飛び入り参加可能な場合もあるそうです。
日本人の参加も大歓迎! とのことですので、興味のある方はTOHAKU茶館のホームページ(外部サイト)で詳細と予約方法をご確認ください。
歴史ある素敵な場所で日本文化を気軽に体験できますよ!
「後編」はTOHAKU茶館だけの逸品ぞろいのメニューを特集!
今回は抹茶体験を中心にTOHAKU茶館での日本文化体験をご紹介しました。
次回はTOHAKU茶館のこだわりの日本茶とスイーツ、お食事やお酒の内容をご紹介します!
ここだけでしか味わえない貴重なものの数々、10月27日からの秋の新メニューや限定で購入できるものなど、まだサイトやインスタグラムに上がっていない情報もたくさんうかがってきました!
食欲の秋!
次回「東京国立博物館の茶室「応挙館」で日本の食文化を再発見!本物にこだわる特別メニューをご紹介」もぜひご覧ください。
東京国立博物館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
東京国立博物館ウェブサイト(外部サイト)
TOHAKU茶館(TOHAKU CHAKAN)
Japanese Authentic TEA CAFÉ
Okyokan Tokyo National Museum
―東京で本物の日本、コト体験―
【O P E N】
2023年7月14日(金)10:00
【期 間】
2023年7月14日~2024 年1月28日
【定 休 日】
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月23日〜1月1日、ほか休業日あり。
【営業時間】
10:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
※10月13日より毎週金・土は18:00まで営業時間を延長
【場 所】
東京国立博物館 応挙館
【住 所】
東京都台東区上野公園13-9
【交 通】
JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分
お問合せはこちら↓
t-chakan@airmedia1.com
・英語による接客対応
・FreeWifiの使用可能
※直接お店に来られて空きがある場合は体験可能です。
TOHAKU茶館の入場には東京国立博物館の観覧料が必要です。
(大人1,000円/1人、大学生500円/1人)
TOHAKU 茶館ホームページ(外部サイト)
TOHAKU 茶館インスタグラム(外部サイト)
※TOHAKU茶館ホームページより引用。2023年10月現在の情報です。