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ジャッジが故障者リストに入り、ヤンキースは単独最下位に転落する

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.ジャッジ(左)とW.カストロ Apr 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月1日、ニューヨーク・ヤンキースは、4月28日まで遡り、アーロン・ジャッジを10日間の故障者リストへ入れた。この日、ヤンキースは、2対3でクリーブランド・ガーディアンズに敗れた。

 ジャッジが出場したのは、4月27日が最後だ。その前日――ジャッジにとっては31歳の誕生日――の試合で、三盗を試みてアウトになった際(写真)は、腕の状態が懸念されたが、27日に2打席続けて三振を喫した後、右の腰に違和感を訴えた。

 4月28日以降、ヤンキースは4試合続けて2得点以下にとどまり、いずれも負けている。4月終了時点の15勝14敗は、ボストン・レッドソックスと並び、地区最下位(4位タイ)に位置した。レッドソックスは、5月1日のサヨナラ勝ちで16勝14敗となり、15勝15敗のヤンキースは、地区最下位に取り残された。

 シーズン25試合目以降に、ヤンキースが単独の地区最下位に位置するのは、2016年の65試合目、6月15日以来だ。この時は、6月11日から4連敗を喫し、15日の時点で31勝34敗。シーズン全体では、84勝78敗の地区4位に終わった。その後、ヤンキースがポストシーズン進出を逃したことはない。

 ジャッジのメジャーデビューは2016年8月13日なので、地区最下位を経験するのは今回が初めて、ということになる。

 ジャッジだけでなく、現在のヤンキースには、離脱している選手が多い。リリーフ投手のスコット・エフロスは、昨年10月にトミー・ジョン手術を受けた。先発投手のカルロス・ロドーンルイス・セベリーノフランキー・モンタスに、リリーフ投手のトミー・ケインリールー・トリビーノ、外野手のハリソン・ベイダーは、開幕から故障者リストに入っている。さらに、リリーフ投手のジョナサン・ローアイシガ、三塁手のジョシュ・ドーナルソン、DH&外野手のジャンカルロ・スタントンも、離脱中だ。

 また、外野手のジェイク・バウアーズは、AAAから昇格した4月29日の試合で、1回裏にフライを好捕した直後、フェンスに衝突し、右膝を痛めた。翌日と5月1日の試合は出場しておらず、おそらく、故障者リストに入ることになるだろう。バウアーズは、AAAの21試合で9本のホームランを打ち、打率.304と出塁率.448を記録していた。メジャーリーグでは、今シーズン、まだ0打席だ。

 ヤンキースは、5月2日と3日にガーディアンズと対戦した後、5日~7日にタンパベイ・レイズと3試合を行う。レイズは、ここまで23勝6敗。勝率.793は、ナ・リーグを含めたどのチームと比べても、100ポイント以上高い(.001=1ポイントとして表記)。ヤンキースは、レイズに8.5ゲーム差をつけられている。

 ジャッジが復帰できるのは、最速でも5月8日だ。それよりも前に、出場できる身体の状態になったとしても、4月28日から5月7日までの10日間は、故障者リストから抜けることができない。他の故障者のうち、レイズとの3試合に出場できそうなのは、ベイダーだけだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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