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源泉かけ流し!「泉質がすばらしい福岡県の日帰り温泉」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉好きほど、「湯の鮮度」にこだわる。入浴感を大きく左右する大きな要素だからだ。簡単にいえば、常に新しい源泉が湯船に注がれ、そのままあふれていく「源泉かけ流し」の湯船ほど鮮度が高い。反対に、源泉を使いまわす循環ろ過の湯船になると、当然ながら鮮度は落ちることになる。

湯量が十分ではない都市部になるほど「源泉かけ流し」の温泉施設は少なくなるのが現実だが、福岡県の都市部にも泉質のよい温泉施設は存在する。

そこで、日帰りでも可能な福岡エリアの温泉施設を5カ所紹介したい。

二日市温泉・博多湯(筑紫野市)

二日市温泉の開湯は1300年前の奈良時代で、九州最古の湯と伝わる。博多駅から最寄駅まで十数分の距離で、「こんなところに温泉が?」と思うような市街地に湧く。公衆浴場の「博多湯」は市街地とは思えないほど良質な源泉がかけ流しにされ、硫黄臭(硫化水素臭)もする本格派である。

船小屋温泉・恋ぼたる温泉館(筑後市)

1824年に開湯した船小屋温泉は、昭和天皇や秩父宮殿下も訪問したこともある歴史ある湯。筑後広域公園内にある日帰り温泉施設「恋ぼたる温泉館」には、茶褐色に濁った濃厚な湯が内湯、露天ともにかけ流し。都会的な施設でありながら、源泉は本格派である。なお、船小屋温泉は日本トップクラスの含鉄炭酸泉とされ、飲用すると胃腸病・貧血症などに効果があるという。

あおき温泉(久留米市)

久留米市街にある日帰り施設。浴室には硫黄(硫化水素)の香りが漂っていてうれしくなる。硫黄を含む塩化物泉は黄色をおびた透明湯で、100%掛け流しにされている。手をつけた瞬間にヌルッとした感覚が伝わる源泉で、とろりとした入浴感がすばらしい。近所にあれば毎日通いたくなるような良泉である。

朝倉温泉・ホテルグランスパアベニュー(朝倉市)

甘木駅近くにあるホテル。外観は市街地によくあるホテルだが、上質な自家源泉がかけ流し。pH10の強アルカリ性の透明湯は、甘い硫黄(硫化水素)の匂いを放ち、スベスベとした肌触り。小さな湯の花も見られる。湯量も豊富で、2つに分かれた30人くらい入れそうな大浴槽からは、かけ流しにされた湯が勢いよくあふれ出していく。だから入浴客が多くても、快適な湯浴みが楽しめる。ビジネスユースのホテルでは、全国トップクラスの温泉といえる。日帰り入浴も可。

満天の湯温泉・あすてらす(小郡市)

小郡市の福祉センター内にある公共の日帰り施設。20人くらいが入れそうな石張りの内湯には、透明のアルカリ性単純温泉が100%掛け流し。硫黄(硫化水素)の甘い香りがぷーんと漂う湯は、ヌルヌルスベスベとした肌触りが特徴のやさしい入浴感で、長湯したくなる。福祉系の温泉施設は湯の鮮度は二の次にされがちだが、こちらの施設はよい意味で期待を裏切ってくれる。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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