MLBのドラフト中止案は愚策!? 一堂に会さなくても、オンラインで指名していけば…
メジャーリーグは、アマチュア・ドラフトの中止を検討しているようだ。APのロナルド・ブラムが報じている。今年のドラフトは、予定どおりであれば、6月10~12日にネブラスカ州オマハで行われる。
ブラムの記事には「アマチュア選手に対する契約金の総額は年に約4億ドル」と書いてある。この金額は、ドラフトの対象にならない、海外のアマチュア選手の契約金も含んでいるらしい。こちらは、契約の解禁日を7月2日から後ろへずらすことが検討されているという。
開幕の延期などによる収入減が予想されるとはいえ、この金額がドラフト中止の理由であれば、良策とは思えない。
ドラフトの中止を受け、本来なら指名されるはずだった、何人かの才能ある高校生は、ベースボールをやめて他のプロスポーツへ進む、あるいは進もうとするに違いない。他にも懸念すべき点はいくつかあるが、これだけでも大きな損失だろう。
一方、4億ドルを30球団で割ると、平均額は1333万3333ドルだ。これは、昨年11月にニューヨーク・ヤンキースが解雇した、ジャコビー・エルズベリーの年俸よりも少ない。過去2シーズンとも、エルズベリーは2114万2857ドルの年俸を手にしながら、メジャーリーグだけでなくマイナーリーグの試合にも、まったく出場しなかった。
関係者が一堂に会さなくても、ドラフトは開催できる。オンラインで順番に指名していけばいい。また、現時点では、アマチュアの試合も中止あるいは延期されているが、メジャーリーグのどの球団も、選手の視察や評価はすでに始めている。早ければ、何年も前からだ。スカウティング・レポートがまったくの白紙ということはあり得ないし、ここからドラフトで指名するまで、選手が実際にプレーするところを(おそらく)見られない点は、どの球団も同じだ。