親が子どもの短所を直すのを諦めれば、子どもは叱られることが減りポジティブになって長所がぐんぐん伸びる
とかく親というものは、子どもの短所にばかり目がいくものです。でも、長所と短所は常に表裏一体で同じコインの表と裏です。ですから、親にとって短所に見えることも見方を変えれば長所でもあるのです。
例えば、宿題をやらずに平気で遊べる子がいたとします。これは親にとっては短所に見えます。なぜなら、親にとっては不都合で不快なことだからです。でも、見方を変えれば楽天的で神経が図太いということでもあります。
実は私も子どもの頃こういう性格でした。いま教育評論家という仕事をしていて、こういう性格だから続けられている部分がかなりあると感じています。
例えば原稿の締め切りが迫っていても、講演のときはそれを忘れて楽しく臨むことができます。複数の仕事が重なって時間的に逼迫してきても、根底には「まあ、なんとかなるでしょ」という楽天的な気持ちがあります。
もし、私が「宿題をやってからでないと楽しく遊べない」という性格だったら、この仕事は続けられなかったかもしれません。
このように、現時点で親には短所に見えることも、子どもが長い人生を生きていく上では長所であるかもしれないのです。
短所イコール長所の例はいくらでもある
他の例も見て見ましょう。親の思い通りにいかない子は、主体性があって自分軸でいきられる子です。意思力と生きるパワーが強いので社会的に大成する可能性も高いです。
マイナス思考の子は、慎重で堅実で入念で計画的にコツコツがんばります。大きなリスクのあることは避けるので大失敗をすることもありません。努力することが得意なので、着実に成果を上げ続け堅実な人生を歩むことができす。
だらしがない子は、大らかで細かいことにこだわらないという長所があります。そして、クリエイティビティが高いということがミネソタ大学のキャサリン・ヴォース氏の研究でわかっています。
いたずらな子には行動力があります。また、アイデアが豊富であり物事に工夫して取り組み試行錯誤を続けられるなどの長所もあります。こうした長所は大人になって仕事をする上でもいきてきます。
断捨離や整理整頓ができない子は、物を大切にする・情に厚いなどの長所があります。また、自分がやりたいことを優先できるという長所もあります。自分がやりたいことを優先する力は自己実現力にも繋がり、幸せな人生を生きる上でとても大切です。
マイペースな子はおっとりしていて包容力があります。人を責めたりすることもなく、共感的で癒やしの力があり周りに愛されます。
やるべきことをてきぱきできない子は、のんびりおっとりした癒し系であることが多いです。また、事務的な処理能力が低い分、ユニークな創造性を持っていたりもします。
ふざけてばかりでお調子者の子は、ユーモアとサービス精神が旺盛で盛り上げ上手です。大人になってからも職場や地域のムードメーカーとして好かれるでしょう。
短所を直そうとすると長所も消えてしまう
このように長所と短所は同じコインの表と裏です。子どものある性格が短所に見えても、それは親であるあなたにそう見えるだけなのかもしれません。つまり、親であるあなたの価値観や都合などの反映に過ぎないのかもしれません。
一度その見方を疑って、「これはもしかしたら長所かも」と捉えなおしてみてください。子ども本人の立場に立って、そして人生全体の長いスパンで見てあげてください。
子どもの短所を直すことにこだわっていると長所も消えてしまいます。なぜなら、裏があっての表でありコインの表だけ取っておくことはできないからです。
『角を矯めて牛を殺す』ということにならないようにしてほしいと思います。親が短所を直すのを諦めれば、子どもは叱られることが減ります。そうすれば長所がぐんぐん伸びます。
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