2010年代最多のホームランを打っているスラッガーが、ようやく浪人生活から脱出
昨シーズンが終わった時点で、ホゼ・バティスタは「2010年代に最も多くのホームランを打った選手」だった。2010~17年にトロント・ブルージェイズで272本塁打。最初の2シーズンは本塁打王を獲得し、2015年も40本塁打を放った。
ただ、過去8年とも20本塁打以上ながら、直近2年は25本に届かず、昨シーズンは出塁率も急降下した。外野の守備もうまくなく、年齢は37歳。今シーズンの開幕は、FAのまま迎えた。
ようやく球団が決まったのは、開幕から3週間が経った4月19日。アトランタ・ブレーブスが、バティスタとマイナーリーグ契約を交わしたことを発表した。この契約について、ファンラグ・スポーツのジョン・ヘイマンは「メジャーリーグに昇格にすればバティスタは100万ドルを得る」とツイートした。
年俸は前年の1800万ドルから激減し、ポジション変更も求められる。ブレーブスは契約を発表したツイートの最後に「彼は三塁を守る」と綴った。バティスタはもともと三塁手だが、2012年以降に三塁を守ったのは、12試合に過ぎない。
ブレーブスの外野は、3ポジションともふさがっている。一方、三塁はライアン・フラハティが守り、打率.365と打ちまくっているものの、過去に打率.225以上のシーズンは皆無。31歳の開花というよりは、一時的な狂い咲きの可能性が高い。また、4月18日には正三塁手と目されていたヨハン・カマーゴが故障者リストから復帰したが、こちらは経験が浅い。昨年4月にメジャーデビューし、82試合に出場しただけだ。しかも、2人ともパワーはない。
なお、「2010年代に最も多くのホームランを打った選手」が確定するまでには、あと2シーズン近くあり、バティスタがこの称号を得ることはないだろう。代わってトップに立ちそうなのは、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)だ。過去8年に240本塁打以上を放った6人のうち、バティスタを含む5人は35歳以上。そのなかで、今シーズンは不振に喘いでいるとはいえ、4位のスタントン(267本)はまだ30歳にもなっていない。