Yahoo!ニュース

モンテッソーリ教育では協調性が育たないって本当?子どもに合った教育への考え方を幼児教育講師が解説!

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

日々の子育て本当にお疲れ様です!

今日は『モンテッソーリ教育や園では協調性が育たないのか?』というテーマについてお話しします。

先日、私が運営する子育てコミュニティ『子育て実践会』で、次のようなご相談をいただきました!

■質問

現在、オンラインでおうちモンテを習っているのですが、その考え方が大変為になり、育児の方針を考える上での重要な指針になっています。

共働きであるためにおうちモンテに限界を感じ、今後はモンテッソーリの幼稚園も視野に入れています。

しかしながら、ちまたではモンテ幼稚園は協調性が身に付かず、卒園後小学校で適応できないリスクがあるという話もあり、良かれと思ってしたことで、返ってマイナスに働くのではとも思い、まだ先のことですが、その考え方についてネットなどで調べても情報がなく、TERU先生のお考えをお聞かせいただくことは可能でしょうか。

これは非常に難しいですが気になる良い質問ですよね。

僕の経験上で感じることをあれこれお話ししてみようと思いますが、僕はモンテの先生でもなんでも無いので、あくまで幼児教育講師として広く教育を学んできた一人の意見として聞いていただけたらと思います。

少しのヒントになれば嬉しいです!

【モンテッソーリ教育は協調性が身につきづらい環境なのか?】

まず1つ大事だと思っているのが、この問いは『モンテッソーリ教育全体という大きな視点では考えない方がいい』ということです。

確かに、モンテッソーリ教育の考え方は『個人の自主性を尊重する』ことを大事にしているからこそ、比較的協調性や規律ある行動を経験する機会は少ない傾向はあるかもしれません。

ただ、そういった傾向はあれど、実態として『モンテの園によって方針の度合いが違う』ということだと思います。

僕の知り合いにも数名モンテ教師の先生がいるのですが、お話を伺うたびに園ごとに良い意味で主体性があり、それぞれの園でモンテの環境設定を考えているんだなぁと感じます。

だからこそ、全体でどうなのか?という視点より『その園はどんな環境設定を心がけているのか?』が大事だと思います。

と考えると、できることはシンプルで

  • 『どんな経験をさせることを大事にしているのか?先生に話を聞く』
  • 『実際に園の様子を見る』

ということですね。

・子ども同士のやりとりをどのように作っているのか?

・友達と遊ぶ時間を作っているのか?

・先生がどの程度協調性を重んじるか?

不安に思っていることを素直に伝えつつ、ここら辺のことをストレートに聞いてみて、決めても良いのではないでしょうか。

こういったことは抱えないことが大事です。

あと、お子さんがその雰囲気に合う合わない?という問題ももちろんありますから、園の見学にお子さんを連れていくのも良いですね。

【子どもの協調性の育みは園ではなく全体で考える】

では、そもそも“協調性”はどうやって育まれていくか?

これは『気質×環境(経験)』であると言えます。

いくら周りと共同作業する経験が多い環境でも気質的に協調性ある行動が得意ではない子もいます。この点は忘れてはいけないですね。

その上で、モンテ園に通うことによって協調性が育まれない可能性が心配であれば、園での環境とご家庭での環境全体でバランスを取るのも良いと思います。

当たり前ですが、経験というのは園だけではするものではありません。

子どもが触れる環境全体が経験です。と考えると、

例えば、

“選んだモンテ園=かなり個人の活動を中心とした環境”であれば
“家や習い事や地域の活動=友達と遊ぶ機会や他者と触れ合う機会を多く作る”

ということで、問題なくお子さんは協調性ある経験ができると思います。

やはり協調性を求められる環境(経験)が極端に少ないと、お子さん自身小学生以降ギャップで苦労してしまう場合もあります。

モンテの考え方が良い!と感じているであれば、ぜひそれは大切にしつつ、園や家庭含め全体でどう偏りすぎない環境を作っていこうか?と考えるのが良いと思います。

【小学校以降の集団の場で苦労しないために大切なこと】

ここまで、協調性にフォーカスを当ててお話ししてきましたが、もう1つ重要な観点があると思っているのでお話しさせてください。

モンテ園から学校教育に上がったご家庭から「なかなか集団学習に馴染めない」というお声を聞くことがあります。

その理由はもちろん1つに決めつけることはできませんが、まずはここまでお話しした、“周りと協調して動く経験”これも1つの要素として影響している可能性はあります。

そして、もう一つ大切な観点として『自分主導で進む環境に慣れている可能性』が挙げられると思います。

モンテでは基本的に、子どもが自分で取り組んでいるものを子ども自身が止めるまで止めないということが多いです。

子どもの自主性と主体性を重んじた素晴らしい関わり方だと僕も思います。

ですが、学校教育であれば先生の指示に従って自分側を自制して動かないといけない場面も多いのも現実ですよね。

そのギャップと経験不足によって苦労することが多いというのも1つあると思っています。

学校教育がどうなのか?というご意見もあるかとは思いますが、学校の先生は先生で今できる中で子どもの自主性を尊重しようと一生懸命考えてくれています。

だからこそ、学校側と家庭とで歩み寄りながら、子どもにとって良い環境になるよう協力していきたいなと僕は思います。

話を戻すと、そのようにモンテでは「子どもが自分で取り組んでいるものを子ども自身が止めるまで止めない」というスタンスを大切にしているからこそ、通わせたいモンテ園でその点はどんな環境を作っていることが多いのか?を伺った上で、もしかなり子どもの意思を尊重する場面が多いと感じたら、ご家庭では良い意味である程度自分の思い通りにいかないという経験をさせてあげれば大丈夫です。

例えば、

・お出かけ前に子どもが「まだおもちゃで遊びたい!」と言っても家族の動きを優先する

・食事の時間に「まだ遊びたい!」と言っても家族で一緒に食事をすることを優先させる

このように、周りのために我慢をしながら動く経験をさせてあげる。

そして折り合いをつけられたら「ありがとう!一緒にご飯が食べられて嬉しいよ」「時間通りに家を出れてお母さん嬉しいな」など感謝を伝えてあげてください。

もちろん、家で全く子どもの意思を尊重しないでください!ということではないですからね。

時間があるときは思う存分遊ばせてあげたり、やりたいことをやらせてあげる。

この経験をご家庭でもさせてあげることは大事です。

そういう時間も作りつつ、日常の中で家族や周りのことを考えて動いてほしい場面ではそちらを優先させる!というスタンスでOKです。

【1つに盲信することに注意が必要】

ここまで色々と話してきましたが、私はモンテの考え方は大好きです。

モンテ教師ではありませんが、モンテの考え方で子どもたちと触れる場面もあります。

ただ、どれだけ良い教育思想であっても、1つに盲信する怖さは感じています。

どんな教育法も、土台として『子どもによって合う合わないがある』ということと、さらに『どの教育法もある程度の偏りがある』これも真実だと思います。

当たり前ですが、何の特色もない教育手法は注目されることはありません。

教育手法のほとんどは、何かしらのビジネスと紐づいています。

と考えると、多くの場合他社と差別化できる特色を持たせて「その特色をわかりやすく出すことでお客さんを呼びたい」というのは当たり前の考え方です。

なので、選んだ幼稚園や保育園が大切にしている教育手法があるのであれば、それに共感したとしても『子どもの環境の1つの部分を担ってくれているもの』くらいに捉えて、ご家庭ではもっと全体俯瞰してみて必要なことを考えてみる

そのくらいがちょうど良いのでは?と僕は考えています。

とはいえ、このバランスや選択に正解はないんですよね。 だからこそ難しい。

でも、自分のご家庭なりの『偏りすぎない』を意識すれば大丈夫かなと思ってます。

ちなみに、通うまでは考えていないけど何かできることないかな?と思われている方は、前回出したこちらの記事を良かったらご覧ください。

いかがでしたでしょうか?

最後になって今回のお悩みに回答できたかちょっと心配になってきましたが、僕なりにお伝えできることは内容は以上です。

皆さんの子育てを応援しています!

オススメの関連記事はこちら

動画でより深く学びたい方はこちら

登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

子育て勉強会TERUの最近の記事