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話し下手(口下手)を直す方法(克服・改善)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「話し下手を直す方法」というテーマでお話したいと思います。

はじめに。
世の中には、「話し下手なら、聴き上手になればいい」なんてことを仰る人がいますが、これは誤りです。というのは、話下手を治すのは、比較的、簡単ですが、聴き上手になるのは、非常に難しいからです。

「話し下手なら、聴き上手になればいい」なんてことを仰る人は、
耳の穴を開けて、黙っていれば、聴き上手になれるとでも思っているのでしょうか?

私(竹内成彦)は、話し上手だけれど、聴くのが下手という人には、過去、幾人も会ったことがありますが、話し下手だけれど、聴くのが上手という人には、過去一人も…と言っていいくらい、会ったことがありません。そのくらい、話を聴くというのは難しい行為なのです。

聴くのが上手な人は、必ず話し上手なものです。話し下手だけれど、聴き上手ということは、ほとんどありません。もしも「ある」と仰る人がいるとしたら、その人は、聴くという行為をなめていると思います。

聴き上手になるためには、
1.話し手の話に興味がありますよという姿勢や表情を作ることが出来なければならないし、
2.適切なタイミングでうなずきをすることが出来なければならないし、
3.適切な言葉で相槌を打つことが出来なければならないし、
4.時には、話し手の話の内容を要約したり明確化したりする必要があるし、
5.話を膨らませるために、話し手が本当に話したいことを引き出せるよう、上手に質問することが出来なければなりません。

如何でしょう?
上記のことを、話し下手(口下手)な人が出来るでしょうか?
私には、とうてい出来るとは思えません。

ここで、「いや、そうじゃなく、聴けるまでにはいかなくても、聞ける程度でいいのですよ」というご意見もあろうかと思うのですが、聞ける程度で終るようでは、人から感謝されることもなく、尊重されることもなく、相手の都合にいいように使われるだけの、そんなドアマット症候群的な人間になってしまいかねないかと思いますので、それはとてもお奨め出来ません。

※ ドアマット症候群とは、ドアマットのように踏みつけられても文句を言わず、表面上は微笑んでいても、内心は怒りをためている屈折した心の状態を抱えた人のことを言います。

よって、どうせ、目指すのなら、聞ける人ではなく、聴き上手な人です。
そうじゃないですか?

では、いよいよ
話し下手を直す方法の説明に入りますが、大切なのは、まずは自分を知ることからです。
自分が話し下手なのは、どうしてなのか? ということです。

実は、話し下手には、2種類の人間がいます。
話すのが苦手な人と、話すのは苦手じゃないけれど、「何を言っているのか、わからない」と言われてしまう人の2種類です。

次に、
「話すのが苦手」と仰る人に対しての、話し下手を治す方法ですが、
よくあるのは、「何を話していいか、わからない」と仰る人です。
こういう人は、日記を書く習慣を身につけたほうがいいです。

もしも、日記に向かって、何を書いたらいいかわからない…というようであれば、あなたが話し上手になることはありません。まずは、日記に何かを書けるような人になることが大切です。日記に何かを書けるようになれば、とりあえず、人に対して何かを話せるような人になります。

続いて、
「日記に対しては、饒舌になれるのだけれど、人前では、話せない」と仰る人は、それは人前に出ると緊張してしまうからだと思います。だから、話せないのです。人前で話すときに緊張しなくなれば、日記に書くように、話すことが出来るように、きっとなる筈です。

緊張しなくなる方法はいろいろあるのですが、日頃から腹式呼吸を心掛ける、ゆったりとした呼吸を心掛ける、丹田(おへその下)に力を入れる、等々があります。

とその前に、
話すのが苦手と仰る人に、ぜひ知っておいて欲しいのですが、実は、人というのは、人の話など、ほとんど誰も聞いていません。それが普通です。だから気にすることないです。何を言っても、聞いてない人は聞いてないし、誤解して聞く人は誤解して聞くので、気にしないことが重要です。日記を書くように、好きなことを好きなように喋ればいいのです。そうすれば、話し下手は直ります。

次に、
話すのは苦手じゃないけれど、話し下手、「何を言っているのかわからない」と言われる人へのアドバイスですが、そういう人は、読書する習慣を身につけるといいと思います。本を読めば、著者が自分の言いたいことを読者にどう伝えているか? 学ぶことが出来ます。よって、「言いたいことがわからない」と言われる人に対しては、読書する習慣を持ってみては如何かと思います。
あと、「何が言いたいのかわからない」と言われがちな人は、最初に結論から話す癖を身につけると良いかと思います。そうすれば相手に伝わりやすくなります。

では、今日のまとめです。

話し下手には2種類の人間がいます。
話すのが苦手という人と「何を言っているのか、わからない」と言われる人です。
話すのが苦手と仰る人は、日記を書く習慣を身につける、緊張しない術を身につける、の2つで克服できます。
「何を言っているのか、わからない」と言われる人は、本を読む習慣を身につけると良いかと思います。そうすれば、伝えたいことをどのように伝えればいいか、わかるようになるかと思います。
そして、数稽古です。数をたくさんこなす。話す機会をたくさん設けることです。

以上が、
話し下手(口下手)を直す方法です。


というわけで、今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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