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【マステ】見たか君は?「日本の巨大ロボット群像展」に見るミクロかつこまやかなテープの使い方を!

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手
日本の巨大ロボット群像展内の展示「宇宙戦艦ヤマト 広角見取り図」

 2024年3月現在、横須賀美術館で開催されている「日本の巨大ロボット群像」展。会期は4月7日までです。

 1963年の「鉄人28号」に端を発する日本の巨大ロボットのコンテンツ(主にアニメ)をテーマとした展覧会です。

 今回はこの展覧会で発見した、資料をテープで貼るちょっとしたコツについて紹介したいと思います。

鉄人からガンダム、そして

 鉄人28号から、1979年の「機動戦士ガンダム」をターニングポイントとして、リアル指向と、原点+原点回帰の巨大なロボット関連のコンテンツが、どのようなデザイン性、リアル指向をみせていたのかを年代を追ってみせていく展示は、思ったよりもずっと面白かったです。

 個人的には、やはり、機動戦士ガンダムのモビルスーツの原アイデアとなったパワードスーツ(「宇宙の戦士」ハインライン)が、ガンダム以降の各種アニメの中で、それぞれの世界設定に合わせて、リアル志向で表現されていったのではないかという結論に至りました。

スタジオぬえの存在感

 これらの巨大ロボットコンテンツのリアリティ獲得に、大きな功績があったのがスタジオぬえです。スタジオぬえは、1970年代以降のSFアニメにおいて、考証やデザインを担当するなど大きな影響のあったSF考証デザインスタジオとでも言うべき存在です。これについて語ると切りがないので割愛します。くわしくは調べてみてください。

このテープの貼り方をチェック

宇宙戦艦ヤマト広角見取り図。四隅のテープはよく見ると、端が貼り合わされている。剥がしやすさの工夫がしてあるのだ
宇宙戦艦ヤマト広角見取り図。四隅のテープはよく見ると、端が貼り合わされている。剥がしやすさの工夫がしてあるのだ

 このスタジオぬえの影響を語る上で出てきたのがこの「宇宙戦艦ヤマトの広角見取り図」です。

 「宇宙戦艦ヤマト」(第一作テレビ版)には、巨大ロボットは登場しません。ですが、スタジオぬえの同時期の仕事として紹介されています。

 それがこの見取り図です。

 この見取り図、よく見てください。展示されている図の四方にマスキングテープとおぼしきものが使われています。

 注目すべきは端の部分です。テープが折り返されて部分的にテープ同士が貼られています。つまりこれは、剥がされることを想定してこのようにされているわけです。

 今は貼ってあるけれど、いずれ剥がされる。そのときに、このマスキングテープがべったり貼られた状態だと、ツメの先でカリカリと端を出して剥がす必要があります。またそのときにも、テープが妙な状態に裂けてしまう可能性もゼロではありません。

 そこで、この端を貼り合わせる方法が生きるわけです。これならば、貼り合わされた部分をつまんでまっすぐ剥がせば問題はありません。資料部分を指で上から押えながら、もう一方の手でテープをまっすぐに剥がせば時間も手間もなく、きれいに剥がれるはずです。

次に備えるテープの貼り方

 この「日本の巨大ロボット群像」展は、横須賀美術館での開催が2番目となります。最初は、2023年9月9日(土)~11月12日(日)福岡市美術館で開催されているのです。

 で、あるのなら、3回目もまたあるかも知れません。まだ告知されていないだけで、準備されているのかも知れないわけです。

 このテープの貼り方は、それを示唆しているのではないか。

 そんなふうにも思えるわけです。

 このテープの貼り方自体は、おそらく文具としてのテープが普及後程なくして出てきたものでしょう。特段目新しいやり方でもないと思います。ともあれ、こういう資料を展示する方法として、また、開封が想定されている箱を密封するテープの末端への応用として、この方法はとても役立つはずです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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