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「日韓戦はとても残念だった」ソン・フンミンは日韓戦と東京五輪OA枠について何を語ったか?

金明昱スポーツライター
W杯アジア2次予選に挑むソン・フンミン。日韓戦や東京五輪について語った(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 サッカー韓国代表がカタールW杯アジア2次予選に向けて5月31日からナショナルトレーニングセンターで合宿を開始した。

 6月3日に主将のソン・フンミン(トッテナム)が公式インタビューに応じ、予選に賭ける意気込みのほか、3月の日韓戦、東京五輪のオーバーエイジ枠などについて語った。以下は会見全文。

――体の状態は?

大きな異常はない。選手たちのコンディションに問題があれば難しいだろう。幸い大きな問題はないようだ。

――キム・シンウク選手(上海申花)とは“トムとジェリー”というほど親しかったが、ファン・ウィジョ選手との呼吸はどうか?

2人は完全に違うタイプの選手だ。ファン・ウィジョ選手は活動量が多く、(長身の)キム・シンウク先輩は、また違うスタイルだ。2人の選手を持っているのは、大きな利点だと思う。幼い頃から一緒にプレーしてきた選手なので、呼吸を合わせることに大きな問題はない。

――主将としてパウロ・ベント監督とはどんな話をするのか。

 誰がここに来て監督を務めても、常に選手の出場について悩み、批判を受けてきた。悩んでいたのは事実だ。監督は常に自信を持っている。私たちが選択するのではなく、監督が長きにわたり、指揮をしているのはありがたいことです。もっと長くいられるように努力するのが、選手たちの役割だ。

――プレミアリーグとアジアサッカーを比較すると?

 勝利が保証されている試合はありません。どちらの試合もベストを尽くさなければならない。2次予選だが、難しくはない。呼吸を合わせることがとても懐かしかった。多くのファンに会えないのが残念だ。

――表情が明るく見えた。

 特別に選手たちと話をすることはない。韓国で最後に試合をしたのを思い出せないほどだ。あいさつをする姿は、スタジアムで見せること。本当に期待している。船の船長は監督。監督がどのようなスタイルを好むかを理解しなければならない。自分のプレーにベストを尽くさなければいけない。

――コロナ禍で90回目のAマッチとなるが?

 所属チームで試合をたくさんした。練習だけするためだけにサッカーをしているのではない。代表チームに合流することが体力的に難しいこともある。時差に適応するのも簡単ではない。代表チームに来れば責任を持って取り組む。大変だと思ったことはない。新型コロナウイルスのせいで残念な部分が大きい。いくつかの試合を盗まれたようにも感じる。国が機会を与えてくれたことに感謝している。

――ハリー・ケインの移籍説とコンテ監督が就任するという話もあるが?

 決まったことはない。去就について心配するよりもトッテナムで最善を尽くすことが重要だ。今、去就について語るのは難しい。水が流れるよう代表に集中したい。ケインもユーロに集中しているだろう。代表に集中することが重要だ。監督については、私が話せることはない。答えないのが正しい。クラブでどのように進めているかはよくわからない。今の状況でベストを尽くすことが正しい。

――成功したシーズンという評価を受けているが?

 毎日、その瞬間で惜しいという気持ちになる。もっと良い結果を出すことができたと考えることもある。足りない部分は何なのかをたくさん考えているようになった。今季、足りない部分があったと思う。そこを発展させようと努力している。

――スリランカ戦後のAマッチ5試合でゴールを決められていない

 ゴールに対する欲はない。チームがうまくいけばいい。他の選手たちの力になれるのかが心配だ。他の選手たちがゴールを決めてもらいたいと願っている。歳を取ってそう思うのではない。子どもの頃はゴールを入れたいという欲が強かった。ゴールは仲間がいてできるもの。サッカーは一人でするものではなく、チームでやるもの。自分のチームがうまくいくことだけを考えている。

――(3月の)韓日戦の感想は?

 選手たちも当然失望しただろう。再びその話を引き出すこと自体、選手たちには大きな苦痛だ。選手たちは明らかにベストを尽くした。試合を見ていた立場からすれば、残念な部分はある。ケガを抱えていたが、無理をしてでも行きたかった。失望した部分を今回の3試合で返していきたい。良い試合内容と勝利で報いることが正しい答えだ。監督に負担を与えたくない。

 また、(東京)オリンピック出場を拒む理由はない。もちろんクラブと話してみないといけない。私が行けなくても、五輪代表は応援する。一人の国民として応援するだろう。

――個人的な目標は?

 個人的な目標を掲げてはいない。夢のために、常に走っている。今までずっと前を向いて走ってきた。夢を共有するよりも、常に発展するために努力している。引退して後ろを振り返ったときは、胸がいっぱいになるかもしれない。常に発展するために努力することが夢だ。

――19歳のチョン・サンビン(水原三星)が10年前のソン・フンミンと比較されている

 サンビンがとても困っていて、うまく言葉でできないみたいだ。若い選手たちが大胆に恐れずに試合をすることは褒めたい。自分もそのように試合をした。シンウク先輩に嫌がらせを受けながら代表チームで生活した(笑)。シンウク先輩が本当に助けてくれた。韓国サッカーの未来を担う選手たちとトレーニングをしながら、経験を積むことが重要だ。成長するのが見える。彼らの成長を支えることが私たちの役割だ。

――試合に向けた覚悟は?

 特別な覚悟は必要ない。サッカーファンに今まで見せられなかった姿を見せなければならない。ベストを尽くす姿を見せると約束したい。マスクをして、消毒剤もしっかりと持って、周囲の人たちに迷惑をかけないように行動してほしい。ファンの皆さまにサッカーを楽しんでもらえるように努力する。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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