棋王挑戦に望みをつなぐのは藤井聡太竜王(20)か? 伊藤匠五段(20)か? 敗者復活戦、開始
11月29日10時。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・敗者復活戦▲藤井聡太竜王(20歳)-△伊藤匠五段(20歳)戦が始まりました。
本局は17日に予定されていましたが、伊藤五段の新型コロナウイルス感染にともない延期。その後、伊藤五段は無事復帰しました。伊藤五段の今年度成績は26勝10敗(勝率0.722)です。
「いつタイトル戦に登場してもおかしくない」と言われる伊藤五段。ここで同い年の史上最年少五冠を降し、大ブレイクにつなげられるでしょうか。
本局がおこなわれるのは将棋会館5階の特別対局室。藤井竜王は床の間を背にして上座に着き、続いて伊藤五段が下座にすわりました。
駒を並べるスタイルは、藤井竜王は多数派の大橋流。対して伊藤五段は少数派の伊藤流です。
本日、ABEMAでは伊藤真吾六段が解説を務めています。
真吾六段「私、『伊藤』っていう名字なんですけど、大橋流で並べてます。ちなみに父親はね、伊藤流で並べてました。あれ?(匠五段が伊藤流で並べて)伊藤さん、伊藤流ですね。継承者ですね。伊藤流の継承者です。よかったです。私は大橋流でいきます、これからも」
ちなみに大橋貴洸六段は大橋流で並べます。
最後の20枚目。大橋流の藤井竜王は右端の歩、伊藤流の伊藤五段は飛車を置いて、すべての駒を並べ終えました。
記録係が藤井竜王側の歩を5枚取り、振り駒。表の「歩」が4枚、裏の「と」が1枚出て、藤井竜王の先手と決まりました。
昨年の新人王戦記念対局(非公式戦)、今年のNHK杯はいずれも伊藤五段先手で戦型は相掛かり。結果はどちらも藤井竜王の勝ちでした。
10時。両者は「お願いします」と一礼して、対局開始。藤井竜王は角換わりを選びました。互いに腰掛銀に組んだあと、後手の伊藤五段から動いて、あっという間に戦いが始まりました。
本譜の進行は今年度王座戦五番勝負第2局(千日手局)▲豊島将之挑戦者-△永瀬拓矢王座戦という重要な前例があります(棋譜はこちら)。
68手目、伊藤五段は飛車を取れるところで、じっと玉を入城しました。ここで▲豊島-△永瀬戦からは離れました。
11時10分現在は78手目、伊藤五段が飛車を藤井陣に成りこんだところまで。対局開始からまだ1時間と少ししか経っていませんが、盤上はすでに終盤戦です。
藤井竜王の今年度成績は25勝7敗(勝率0.781)です。
藤井竜王が棋王挑戦権を得るためには、伊藤五段に勝ち、羽生善治九段に勝ち、さらには佐藤天彦九段に2回勝つ必要があります。
つまりここから4連勝という厳しい条件ですが、年度内六冠チャレンジはなるでしょうか。
本日29日夜には、銀河戦決勝トーナメント1回戦、中村修九段戦も放映されます。