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太平洋高気圧の直下で、猛烈な暑さの一週間 40度も

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
あす(29日・月)の高気圧と雨雲の予想図、筆者作成

 きょう(28日)の東京は午後2時過ぎに、気温が36.8度まで上がり、今年一番の暑さとなりました。また、全国で最も気温が高くなったのは千葉県市原市牛久で39.8度です。

 太平洋高気圧(夏の高気圧)が日本の真上に位置しているため、地面付近に熱が溜まり、暑さがぶり返しています。

 この猛烈な暑さは少なくとも一週間程度は続く見込みで、これまで40度に達したことがない地域でも、記録的な暑さとなる可能性があります。

この先一週間の天気と最高気温の予想、ウェザーマップ作画
この先一週間の天気と最高気温の予想、ウェザーマップ作画

 猛暑は熱中症だけでなく、米や野菜などの品質低下や出荷量の減少を招くなど、家計への負担も大きい。多岐にわたる影響は気象災害といえるでしょう。

あす(29日)も39度予想

 29日(月)は九州から関東地方にかけての広い範囲で、夏空が広がり、午前中から猛暑となる見込みです。

 予想最高気温は群馬県前橋市や京都市などで39度、東京で37度となっています。

 特徴的なのが西日本の気温です。岡山市や鹿児島市の38度は過去最も高い気温に匹敵する暑さです。

7月29日(月)の予想最高気温、ウェザーマップ作画
7月29日(月)の予想最高気温、ウェザーマップ作画

40度以上は8月前半が多い

 最高気温35度以上を猛暑日と呼ぶようになったのは2007年からです。当時は滅多にない暑さという印象でしたが、最近はよくある暑さに。40度もいずれはそうなるのかと思うと怖くなります。

 この夏の全国最高気温は7月7日七夕の日に静岡市で観測された40.0度です。都道府県所在地としては2018年の名古屋市と甲府市以来、6年ぶりで、前橋市(2001)、山形市(1933)を含めて5か所目です。

 2018年以降、毎年どこかで40度以上となっていますが、日ごとにまとめてみると、過去最も多いのは8月8日です。1994年に和歌山県かつらぎ町で、2018年には岐阜県美濃市で、そして2021年は岐阜県多治見市で40度を超えました。

【全国・日別】日最高気温40度以上を観測した回数(統計開始~現在)、筆者作成
【全国・日別】日最高気温40度以上を観測した回数(統計開始~現在)、筆者作成

来月も猛暑が続く可能性大

 気象庁は26日、気温の高い状態はさらに1か月程度続くとして、「東日本太平洋側と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報」を発表し、暑さに十分注意するよう呼びかけました。

 お盆休みの頃は一年で最も暑さが厳しくなる時期ですが、今年はそれ以上の暑さが予想されています。

 温暖化の進行で、夏はより長く、より過酷に。日本の四季がかすんできたようです。

【参考資料】

気象庁:東日本太平洋側と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報(第1号)、2024年7月26日

熱中症対策の取り組みはこの記事が参考になります。

井坂綾:岐阜・多治見市から暑さ対策を学ぶ:チーム森田の”天気で斬る”、2024年7月26日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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