Yahoo!ニュース

アフターコロナで注目したい、間数の多い住戸を購入する意外な世帯層とは?

櫻井幸雄住宅評論家
玄関からリビングまでの廊下沿いに部屋が並ぶ。間数の多い住戸が人気だ。筆者撮影

 間数(まかず)重視は、20世紀まで住宅購入者に広く見られた動き。そして近年は影を潜めた動きでもある。

 子供1人の3人家族や夫婦2人ならば2LDK、もしくは1LDKの間取りで十分なのだが、余裕を持たせて3LDKのマンション住戸を選ぶ。子供2人の4人家族が一戸建てを選ぶときは、3LDKではなく4LDKにする……それが、間数重視の住宅選びだ。

 できる限り余裕を持たせたい、客が泊まる部屋を確保しておきたい、と考えたわけで、以前は「部屋数は多ければ多いほどよい」とまで言われた。

 それが変わってきたのは、家族構成が変わってきたことと、都心・駅近偏重の影響だろう。

 4人家族中心から、今は3人家族、2人家族が増加。1人暮らしも増えたため、3LDKは不要というケースが目立つようになった。加えて、都心・駅近偏重で、住宅の分譲価格が上昇。少しでも販売価格を抑えるため、必要最小限の部屋数を求める傾向が購入者に強まった。

 結果、マンションでは3人家族用の2LDK、そして2人、1人のための1LDKが増加。建売住宅では、3LDKが主流になってしまった。

 加えて、都心部で100平米以上の広いマンション住戸を購入できる富裕層は、ゆったり部屋分けをした2LDKとか1LDKを好むため、住宅の間数はどんどん少なくなっていったわけだ。

 そこに起きたのが今回のコロナ禍。新型コロナウィルスの影響でステイホームやテレワークを経験したことにより、3人家族、4人家族でも4LDKの間取りを求める動きが出た。

 さらに、一部郊外マンションでは驚くべき現象が起きている。

 今回は、緊急事態宣言が解除されて以降、首都圏の郊外マンションで新たに起きた現象を報告したい。

間数の多いマンション住戸を求めるのは……

この記事は有料です。
資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」のバックナンバーをお申し込みください。

資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」のバックナンバー 2020年7月

税込1,100(記事3本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

櫻井幸雄の最近の記事