ホテルニューオータニのいちごフェアが充実してしまう理由
いちごフェアの盛り上がり
「100年に1度のいちごイヤーを疑う」でもご紹介したように、私としては思うところはあるものの、今年2015年はいちごイヤーなのでイチゴに関連したメニューが例年以上に多く見掛けられます。
以下のように、様々なところで<いちごフェア>が行われていますが、大体が10種類前後であり、多くて15種類といったところです。
- 帝国ホテル 東京
11種類
- グランド ハイアット 東京
14種類
- 京王プラザホテル
15種類
- グランドプリンスホテル高輪
10種類
- グランドプリンスホテル新高輪
8種類
- ザ・プンリス さくらタワー東京
2種類
- ザ・キャピトルホテル 東急
11種類
- ロイヤルパークホテル ザ 汐留
4種類
- リーガロイヤルホテル東京
7種類
- 横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ
4種類
最も多い21種類
その中で、「【桜スイーツ】50周年を迎えるホテルニューオータニの想い」でご紹介したホテルニューオータニでは、以下の通り、断トツで多い21種類を提供しています。
- エクストラスーパーあまおうショートケーキ
(パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」)
- あまおうナポレオン
(パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」)
- スーパーショートケーキ
(パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」)
- あまおうアーモンドリンツァートルテ
(パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」)
- スーパーあまおうエクレア
(パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」)
- 草苺饅頭
(中国料理「大観苑」)
- タルト オ フレイズ
(フランス料理「トゥールダルジャン」)
- ニューオータニ特製スーパーあまおうパンケーキ
(コーヒーショップ「SATSUKI」)
- いちごパフェ
(コーヒーショップ「SATSUKI」)
- あまおうイングリッシュティーセット
(ティー&カクテル「ガーデンラウンジ」)
- OLD FASHIONED CHOCOLATE STRAWBERRY SHORTCAKE
(インターナショナル料理「トレーダーヴィックス」)
- STRAWBERRY SUNDAE
(インターナショナル料理「トレーダーヴィックス」)
- あまおうのタルト
(西洋料理「BELLA VISTA」)
- 旬苺とマスカルポーネのクリーム
(鉄板焼「石心亭」)
- 特製パンケーキに贅沢なあまおうソースを添えて
(ビュッフェ&バー「VIEW & DINING THE Sky」)
- いちご豆カン
(日本料理「KATO’S DINING & BAR」)
- 苺みつ豆
(麺処「麺処 NAKAJIMA」)
- あまおうの吉野葛かけ ミルクジェラートと共に
(ステーキハウス「RIB ROOM」)
- ストロベリーピラミッド
(バー「Bar Capri」)
- マーベラス・レオナルド
(バー「Bar Capri」)
- LAVA FLOW
(バー「TRADER VIC'S BOATHOUSE BAR」)
- "3" Berry Royal
(ビュッフェ&バー「VIEW & DINING THE Sky」)
ケーキや和菓子、パフェやパンケーキといったスイーツからカクテルまで用意されており、パティスリーやカフェ、中国料理や日本料理、インターナショナル料理からバーまで様々な業態でいちごフェアが展開されています。
トレーダーヴィックスが牽引
広報マネージャー 今井章江氏は「2012年にいちごフェアを始めた。<いちごメニュー>は初年から昨年までは18種類くらいで、今年は14レストランで21種類もある。これまでのいちごフェアの中で最も種類が多く、例年以上に力を入れている」と自信を持ち、「いちごフェアのためだけに、いちごフェアガイドブックという冊子を毎年製作している。全ての<いちごメニュー>が掲載されているので、ガイドブックをご覧いただきながら、お好きなものを召し上がっていただきたい」と案内します。
どうして今年はこれほど種類が増えたかと訊くと「2月20日にポートハウスバーをリニューアルし、より魅力を高めたトレーダーヴィックスで、新しい<いちごメニュー>を考えた。昨年は1種類だったが今年は3種類になったので、結果的に全体の種類数が増えた」と、種類数はトレーダーヴィックスが牽引したと要因を挙げます。
アメリカのデザートを提供
トレーダーヴィックスは「80周年を迎えるフュージョン料理はどのようにして生まれたのか?」でもご紹介したように、日本におけるフュージョン料理の祖とされるレストランで、ポリネシアンやアメリカの料理を専門としています。
ポートハウスバーはバーレストランから発展したトレーダーヴィックスの雰囲気を最も体現した空間であるだけに、ポートハウスバーのリニューアルオープンに合わせていちごフェアに力を入れたことは納得できるでしょう。
どのように変わったのかを尋ねると「昨年まではレッドベルヴェットというパンケーキをご提供していた。赤いパンケーキという珍しさもあってご好評いただいていたが、数年続いていたので何か新しい<いちごメニュー>をご提供できないかと考えた」と振り返り、「色々と試作していった結果、日本のイチゴは重厚なアメリカのデザートにも合うことに気が付いた。そこで、アメリカンショートケーキやストロベリーサンデーを新しく開発し、ポートハウスバーでも楽しめるようにとカクテルも考案した」と説明します。
あまおうアーモンドリンツァートルテも
他にも注目するべき新しい<いちごメニュー>はあるかと訊くと「スーパーあまおうエクレアやあまおうアーモンドリンツァートルテも今年からご提供しており、特に召し上がっていただきたい」とはっきりと答えます。
続けて「スーパーあまおうエクレアは、アーモンドミルクを使うようにして、スーパーエクレアから進化した。長さが20センチもあり、リボンもかかっていて高級感があるので、ちょっとしたサプライズにもおすすめ。あまおうアーモンドリンツァートルテは、玄米卵、シリアル、アーモンドミルクで作ったタルト生地とアーモンドミルクのクリームを使った、他では食べられないタルト。高さが10センチもあって見た目も美しい」と、それぞれの特徴をまとめます。
高級カクテルも
カクテルの<いちごメニュー>も4種類ありますが、特におすすめはあるのでしょうか。
「マーベラス・レオナルドは、ドンペリニョンとフレッシュないちごを使った1杯4500円の高級カクテル。珍しさと、いちごの魅力がよく表現されていることから、ご好評いただいている」とカクテルも好調であるとします。
1日10個限定、1カット3000円という超高級ケーキ「エクストラスーパーあまおうショートケーキ」を昨年生み出したかと思えば、また今年も新しいスイーツを生み出しており、その商品開発力の高さには驚かされます。
定番のパンケーキはあまおうバージョン
マイナーチェンジしたメニューもあります。「定番となっているニューオータニ特製パンケーキには、生地に雑穀を加えてあるので、少し茶色くなっている。アーモンドミルク入りのカスタードクリームと豆乳クリームを使ってヘルシーに仕上げると共に、味わいにも緩急の変化をもたせている」と、既存メニューにも進化があるとします。
先程から何度かコメントに現れているアーモンドミルクとは、アーモンドから抽出した代替乳飲料で、アメリカで健康食品として注目され、日本でもじわじわとブームの兆しが見えています。
このことについては「2014年の初め頃から様々なスイーツでアーモンドミルクを使い始めていた」と述べているので、ホテルニューオータニは日本におけるアーモンドミルクの先駆者であると言ってよいでしょう。
『あまおう』へのこだわり
そもそも、どうして2012年から大々的にいちごフェアを始めたのでしょうか。
今井氏は「以前から『あまおう』のクリスマスケーキを販売するなど、産地の福岡県八女市と信頼関係を築いてきたので、素晴らしい『あまおう』を安定して供給していただけるようになった。この時期にしか食べられない最高の『あまおう』を、1人でも多くのお客さまに体験していただきたいという思いから、毎年たくさんの<いちごメニュー>を考えている」と熱く語ります。
いちごフェアにまつわるエピソードはあるかと訊くと「いちごフェアを始めた2012年は、自信をもっておすすめできるフェアなので、どうしても成功させたいという気持ちがあった」と振り返り、「そこで、全ての<いちごメニュー>が掲載されたランチョンマットまで製作してSATSUKIやガーデンラウンジに置いた。しかし、他のレストランのメニューも載せられていて紛らわしかったので、残念ながら途中から置くのをやめてしまった」と述懐します。
イチゴのホテルニューオータニ
福岡県がそれまでの主力品種であった『とよのか』からよりよい品種を開発するために全国から100種を超える優良品種を集めて交配させ、6年という長い開発期間を経て開発し、いちごの王様になれるようにとの想いが込められた『あまおう』は、今井氏が披歴したエピソードのように<いちごメニュー>に関わる人々に情熱を与え、毎年個性的な<いちごメニュー>を生み出すための原動力となっています。
『あまおう』をたっぷりと使ったホテルニューオータニの<いちごメニュー>を食しながら、いちごフェアが充実していった来歴に思いを馳せていると、2015年の<いちごイヤー>はイチゴへの飽くなき追求を続けるホテルニューオータニのためにあるのではないかと感じられるのです。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
スイーツ図鑑にSATSUKI、レストラン図鑑にトレーダーヴィックスが詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。
元記事
レストラン図鑑に元記事が掲載されています。