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小山怜央アマ(29)棋士への道は開けるか? 11月28日、編入試験第1局で徳田拳士四段(24)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月28日。大阪・関西将棋会館において、棋士編入試験五番勝負第1局、小山怜央アマ-徳田拳士四段戦がおこなわれます。

 小山さんはアマチュア将棋界を代表する強豪として活躍してきました。いくつもの全国大会で優勝を果たし、プロ公式戦にアマ代表として参加。9月13日、朝日杯一次予選、中川大輔八段戦での勝利で直近10勝5敗となり、棋士編入試験の受験資格を獲得しました。

 小山さんは井出隼平五段にも勝ち、朝日杯二次予選進出も決めています。

 小山さんは棋士編入試験受験を申請。9月30日、公式に発表されました。

 現行の制度では今泉健司アマ(現棋士五段)、折田翔吾アマ(現棋士五段)、里見香奈女流五冠に次いで4人目の受験者となります。

 過去に棋士編入試験を受験した3人はいずれも奨励会に入会し、三段にまで進んでいます。奨励会未経験者としては小山さんが初のチャレンジとなります。

 今年は里見女流五冠が女性として初めて編入試験に挑戦し、大変な話題となりました。しかし結果は惜しくも3連敗。残念ながら不合格となりました。

 小山さんが対戦する5人は、里見女流五冠の編入試験とまったく同じメンバーとなります。

 第1局で登場するのは、徳田拳士四段(24歳)です。

 徳田四段はデビューした今年度、27勝4敗(勝率0.871)というおそるべき好成績。史上最高勝率ペースで勝ち続けている若手強豪です。

 里見女流五冠同様、小山さんも初戦から大変な強敵と当たることになりました。

 現代の将棋界において、徳田四段は山口県出身者としては初の棋士です。一方、もし小山さんが合格すれば、岩手県出身者としては初の棋士となります。

 編入試験の持ち時間は各3時間(チェスクロック方式)。第1局の先後は対局開始直前に振り駒で決められます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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