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2階級制覇を目指す前WBCスーパーバンタム級チャンプ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 昨年11月にWBOスーパーバンタム級王者、ステファン・フルトンとの統一戦に敗れ、WBC同級タイトルを失ったブランドン・フィゲロアが、このほど階級を上げて再起した。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211129-00270172

 フルトン戦まで負け知らずであり、あの悪童ルイス・ネリを7回で屠ったフィゲロアをご記憶の日本人ファンも多いであろう。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 7月10日はフェザー級での初試合だったが、フィゲロアにはWBC同級タイトル挑戦者決定戦が用意された。

 対戦相手は27勝(12KO)1敗のカルロス・カストロ。メインイベントがWBCフェザー級タイトルマッチであり、そのセミファイナルにこのカードを組むあたりが、本場ならではの面白さだ。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 フィゲロアは被弾しながらも、とにかく前進した。スイッチを繰り返しながらプレッシャーをかけ続ける。第3ラウンド1分40秒、ボディへのアッパーでダメージを与え、ダウンを奪う。

 前WBCスーパーバンタム級チャンピオンは、その後も手を休めず、攻め続けながら6回2分11秒で、レフェリーストップ勝ちを呼び込んだ。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 23勝(18KO)1敗1分けとなったフィゲロアは、語った。

 「カルロス・カストロが狡猾な選手だということは分かっていたので、まずは耐え、ロープに追い込んだ。そして、連打を浴びせたんだ。多少疲れを感じた折には、バックステップした。彼がダメージを負っていたので、更にプレッシャーをかけた。自分のいい左がヒットしたよね。

 カストロはハートのある選手。それをリングで示すことは予想出来た。ボディを狙うチャンスを窺っていたよ。手ごたえのあるボディブローを喰らわせた」

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 勝利した後、フィゲロアはメインイベントのマーク・マグサヨvs.レイ・バルガスをリングサイドで観戦した。

 「今日、勝利した自分にちょっと誇りを感じる。WBCフェザー級王者となるために、前に進むだけだ。自分の戦いぶりを反省し、またジムでトレーニングするよ」

 WBCフェザー級新王者、レイ・バルガスはWBAチャンプとの統一戦を切望するだけに、フィゲロアの次戦がタイトル戦になるかどうかは、まだ分からない。が、バルガスに挑んでも、マグサヨと戦っても、見応えのあるファイトになりそうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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