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3度目の防衛戦を控えた日本スーパーフライ級チャンピオン

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 日本スーパーフライ級チャンピオン、高山涼深。IBF6位、WBCとWBOでは8位、WBAが9位と、世界十傑の仲間入りをした。OPBF東洋太平洋では1位となり、指名挑戦権を得ている。

 その高山が7月18日に日本タイトル3度目の防衛戦を迎える。

 「挑戦者の青山功は、中間距離で淡々と戦う選手ですね。ノックアウト負けもあまりなく、タフな印象があります。僕はここ2試合パッとしない内容でしたから、ファーストラウンドの頭から、レベルアップした自分をお見せできるよう練習しています」

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 8戦全勝7KOで、日本タイトルマッチ3連続KO中のチャンピオンだが、前半にパンチをもらい、その後強打で捻じ伏せる戦いが続いている。

 「スロースターターである点を克服しなければ。相手の様子を見ているつもりはないんですが、自分の思いとは別のところで、体が慎重になってしまっているのかもしれません。

 今回は、攻撃のなかでのディフェンス、距離と打たせずに打つことを課題としています」

撮影:筆者
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 とはいえ、パンチに自信のある高山は、どうしてもオフェンスへの思いが強くなりがちだ。

 「自分がされて嫌なことを徹底して貫くファイトをします。まだ、自分はボクシングIQが足りないこと痛感していますので、とにかく階段を上がりたいですね」

撮影:筆者
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 高山はアマチュア時代から、現在IBFライト級のベルトを巻くワシル・ロマチェンコに憧れ、3階級を制したこのウクライナ人チャンピオンを真似てきた。

 「ステップなど参考にしていましたが、単なる模倣で、リングの使い方や、戦いの中でどう生かすかは理解出来ていなかったですね。ロマチェンコは、サッカーやバスケットボールの経験もあり、体の使い方を熟知しています。僕もそういう知識を増やす必要性を感じます」

撮影:筆者
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 高山は、日本時間6月16日に行われたWBAライト級タイトルマッチ、ジャーボンテイ・“タンク”・デービスvs.同2位のフランク・マーティン戦もTV観戦した。サウスポー同士の戦いで、色々と学びたかったのだ。

「次元が違い過ぎました(笑)。バランスの良さが目に留まりましたね。ただ、これまで世界のトップ選手というと、“TVで観る人”という感じでしたが、世界ランカーになった今は“意識しなければいけない人達”に変わりました。同じ階級の世界チャンプ、井岡一翔さんに挑戦したいです。OPBFの指名挑戦者としてチャンピオンと戦えるなら、近々やりたいですね。2冠王者になれば、世界も見えてくるでしょうし」

撮影:筆者
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 7月18日、後楽園ホール。高山は、己がレベルアップした姿を披露するべくリングに上がる。

 「KOしますよ。是非、会場でご覧頂ければと思います」

 3週間後に注目だ!

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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