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デビューから3年続けて20-20は史上初。7月の月間打率は.489

宇根夏樹ベースボール・ライター
ボビー・ウィットJr./捕手はディロン・ディングラー Aug 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月1日、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、シーズン20本目のホームランを打った。前日までに記録した24盗塁と合わせ、1シーズンに20本塁打以上と20盗塁以上の20-20に到達した。

 ウィットJr.は、メジャーリーグ3年目の24歳だ。2022年は20本塁打&30盗塁、2023年は30本塁打&49盗塁を記録した。昨シーズンは30-30だが、メジャーデビューから3シーズン続けて20-20ということになる。

 メジャーリーグ1年目に20-20は、6人が達成している。1977年に21本塁打&42盗塁のミッチェル・ペイジ、1987年に20本塁打&27盗塁のエリス・バークス、1995年に24本塁打&20盗塁のマーティ・コルドーバ、2022年に28本塁打&25盗塁のフリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)とウィットJr.に、2023年に21本塁打&24盗塁のアンソニー・ボルピー(ニューヨーク・ヤンキース)がそうだ。

 彼らのうち、2年目も20-20、あるいはその上の30-30は、昨シーズンのフリオとウィットJr.しかいない。フリオは、32本塁打&37盗塁を記録した。今シーズンが2年目のボルピーは、ここまで9本塁打&19盗塁だ。20-20には届かない可能性が高い。

 フリオも、3シーズン連続の20-20は、難しそうだ。現時点では、11本塁打&18盗塁。7月21日の守備で右足首を痛め、いつ復帰できるのかは、まだわからない。

 また、ウィットJr.は、7月の23試合で打率.489(90打数44安打)と出塁率.520、7本塁打と2盗塁、OPS1.353を記録した。スタッツ・センターによると、ウィットJr.の月間打率は、1900年以降、7月に月間70打数以上のなかで6番目に高く、1912年7月に.528のタイ・カッブ、1918年7月に.521のカッブ、1980年7月に.494のジョー・ブレット、1922年7月に.489のカッブ、1923年7月に.489のトリス・スピーカーに次ぐという。ベースボール・リファレンスを利用して調べたところ、月間打率.489の3人中、カッブとスピーカーの打数と安打は、まったく同じ。ウィットJr.の打率は、彼らをわずかに下回る。

 これにより、ウィットJr.のシーズン打率は、6月末時点の.312から、1ヵ月で両リーグ・トップの.349まで上昇し、8月1日の4打数2安打で.350となった。2番目に高いのは、打率.333のスティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)だ。出塁率は.363→.396→.398、OPSは.897→.992→1.002と推移し、どちらもア・リーグ3位に位置している。ア・リーグでウィットJr.の上にいるのは、ニューヨーク・ヤンキースの2人、出塁率.447とOPS1.136のアーロン・ジャッジと出塁率.436とOPS1.029のホアン・ソトだ。

 なお、ウィットJr.の父と3人の義兄は、いずれもメジャーリーグでプレーしたことがある。それについては、こちらで書いた。

「オリックスに入団したトーマスの義弟は昨年「30-30」を達成。義父は通算142勝、義兄は元・埼玉西武」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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