台風22号 眼の中に沖縄本島
台風22号の眼に入った那覇市では28日午前8時過ぎ、最大瞬間風速37.6メートルを記録した。那覇市に接近した台風としては過去3番目に遅く、原因として夏の高気圧が強かったことがいえる。
眼の中に入った沖縄本島
台風22号は28日正午、那覇市の東約50キロの海上を北上しました。表紙はそのときを捉えたひまわり8号の雲画像を拡大したものです。
台風の眼はやや不明瞭ながら、回転する雲の中心に沖縄本島があるのがわかるでしょうか。雲に隠れて、沖縄本島が見つけにくいかもしれません。
那覇市では28日未明から風が強まり始め、午前8時過ぎに、最大瞬間風速37.6メートル(北東の風)を観測しました。那覇市では10月でも台風が近づくと暴風となることがありますが、多くは10月前半に集中し、今回のように10月下旬は少ないようです。
こちらは那覇市の風速と気圧の変化をみたものです。
午前8時頃、強かった風はだんだんと弱まり、午前11時には風速8メートルになりました。ちょうどこのころ、気圧も最低を記録し、台風が那覇市に最も近づいていたことがわかります。
晩秋の接近台風は珍しい?
沖縄は全国で最も台風シーズンが長く、接近する台風も多いです。それでも、10月末に沖縄本島が台風の眼の中に入るのは珍しいと思い、調べてみました。
今回は那覇市を中心とした約100キロ以内に近づいた台風を探しました。該当したのは1951年から今の台風22号までの84個です。
月別に並べてみると、台風シーズン最盛期の8月、9月が多く、全体の半数を占めます。10月以降は少なくなり、11月はわずか2個です。
台風22号は那覇市に接近した台風として、1959年の台風21号、台風20号に次ぐ、過去3番目に遅い台風となりました。
なぜ、こんなにも遅い時期に、台風が沖縄本島に近づいたのでしょう?
理由はいくつかあると思いますが、日本の南海上で夏の高気圧が強かったことが影響しているでしょう。
今月の那覇市の真夏日は20日を数え、平年の5倍です。台風は高気圧の縁を流れる風に乗って北上します。いつまでも高気圧が強いと、発生した台風は日本列島に近づきやすくなります。沖縄の暑さと台風はつながっているのです。
【参考資料】
台風の調査には「デジタル台風」を利用しました。ありがとうございました。