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新川海岸の珍景と富山湾の不思議【富山県入善町・黒部市】

つむみ地域情報発信ライター(入善町・黒部市)

今回は、新川海岸の神秘と呼ばれる「海底林」や日本三大浸食海岸の下新川海岸日本三大深湾である富山湾について紹介します。

荒俣海浜公園を案内してくださった、植物や地形などを研究しておられる先生に教えていただきました。

神秘の「海底林」

「海底林」の調査の様子。(画像引用:入善町ホームページより)
「海底林」の調査の様子。(画像引用:入善町ホームページより)

入善町吉原沖で発見された「海底林」です。この「海底林」は水深約40メートルの海底にあり、約1万年前のものだということです。「海底林」は、根を張った立ち木の状態で発見され、少なくとも8千年〜1万年前の氷河時代には、そこが陸上に広がる森林であったことを示す貴重な根拠となりました。なんとも珍しい景色が、入善沖にあったのです!

「杉沢の沢杉」に「海底林」の現物が展示してあります。興味のある方は、ぜひご覧ください。

現在も整備が続く「日本三大浸食海岸」

下新川の海岸は、高波や、寄り回り波が押し寄せることがあります。このため、治水事業などの影響で砂が流れてこなくなった海岸は、急速に浸食していったということです。

「入善町の海岸沿いも杉沢の風景も、子供のころとは全く別物になった」と、少し寂しそうにおっしゃった先生の言葉が印象的でした。

渦巻く海だった「荒俣海浜公園」

「荒俣海岸」も、浸食が激しい海岸でした。現在「荒俣海浜公園」がある場所は、かつては渦巻く海だったそうです。その後、離岸堤などで対策され、現在の海浜植物が育つ公園へと生まれ変わったそうです。

海岸線にたくさん積まれていたブロックです。これは、リーフと呼ばれ、海底に敷かれる防波堤の一種だそうです。このリーフが高波などから下新川海岸を守っているのですね。

現在も、入善町の海岸で整備が続いています。海岸線を通る際は、「これが海底で防波堤となるのか~」などと観察してみるのも楽しいと思います。

日本三大深湾

富山湾は「日本三大深湾」です。海底まで1,000メートル以上と深く、とても急勾配です。さらに、海底には深い谷があり、白エビやカニの住処になっているそうです。

その他

他にも、海岸から見える幻想的な「蜃気楼」。3月~5月の新月の頃に見られるという、産卵のために南下してきた「ホタルイカの身投げ」などの現象もあります。

また、海に沈む夕日を眺めるだけでも、心が洗われるような気持になりませんか。

世界で最も美しい湾クラブ」に加盟している「富山湾」。美しさと荒々しさ、そして神秘性を持っています。また、天然の生け簀によって多くの恵みも与えてくれます。

寒くなってきましたね。海岸線のお散歩は、温かい服装でおでかけください。

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荒俣海岸
住所:富山県黒部市荒俣地内
駐車場:無料
施設:トイレ

地域情報発信ライター(入善町・黒部市)

自然豊かな富山県入善町在住のインタビューライターです。食べたい!行きたい!知りたい!と思う、最旬の情報をお届けします。

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