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黒部川で「流し網漁」によるサケの捕獲作業 サケの回帰に期待【富山県下新川郡】

つむみ取材ライター(下新川郡・黒部市・魚津市など)

11月10日、黒部川内水面漁業協同組合の職員や組合員約40人が参加し、黒部川で「流し網漁」によるサケの捕獲作業が行われました。今回の記事では、黒部川で行われたサケ捕獲から採卵までを紹介します!

人工ふ化放流

日本のサケは、3〜5年後に生まれ育った川に帰ってくる「母川回帰」という特性を持っていることが分かっています。黒部川内水面漁業協同組合では、この特性を活かし、人工ふ化放流事業を行っています。近年サケの減少が深刻化しており、人工ふ化放流が欠かせない事業となっています。

流し網漁

黒部川内水面漁業協同組合では、人工ふ化放流をするために、「流し網漁」でサケを捕獲しています。「流し網漁」とは、上流と下流から網で追い込む漁のことです。

”あて網”を広げている様子
”あて網”を広げている様子

下流では、竹の棒と網を利用した、平面状の“あて網”と呼ばれる道具を持ち、サケを待ち構えます。

”流し網”でサケを追い込んでいる様子
”流し網”でサケを追い込んでいる様子

上流からは、ウエットスーツを着た組合員が、川に入り“流し網”を持ちながらサケを追い込みます。

「流し網漁」でサケを追い込んでいる様子
「流し網漁」でサケを追い込んでいる様子

最後は、“流し網”と“あて網”で、はさむように追い込みます。

追い込まれたサケは、タモを使い直接すくいます。

急流の黒部川は、夏でも水が冷たく水着では1時間も入水していられないような川です。秋の川ともなればなおさらです。そんな黒部川での、組合員たちの勇敢な姿に感動しました!

「流し網漁」に参加した組合員の声

唯一の女性である石山さんにお話を伺いました。釣りが趣味だという石山さんは、「とにかく楽しいです。危険のない場所に配置してくれるなど配慮してくれますし、獲り方を教えてもらったり、フォローもしっかりしてくれます。(黒部川流域の)入善町に生まれたからにはサケを獲らないわけにはいかない(と思って参加しています)。」と語りました。

採卵

捕獲後、成熟したメスのサケから採卵をします。一尾の卵の数は約2,500粒です。

採卵後は、成熟したオスの精子をかけ受精させます。この後、卵管理~飼育を半年程かけて行い、2月中旬から放流予定です。

おわりに

この「流し網漁」は、どなたでも見学することができます。黒部川周辺住民の生活を支える川での勇壮な姿を、一ぜひ見てほしいと思います!

また、黒部川内水面漁業協同組合では組合員を募集しています!黒部市と入善町にお住まいの方であれば、どなたでも加入することができます。興味のある方は、お気軽に黒部川内水面漁業協同組合にお問合せください。

黒部川内水面漁業協同組合(外部リンク)

住所:富山県下新川郡入善町高畠3806-7

電話番号:0765-76-0704

取材ライター(下新川郡・黒部市・魚津市など)

黒部市・下新川郡・中新川郡・魚津市・滑川市を担当しております。 自然豊かな富山県入善町在住の取材ライターです。食べたい!行きたい!知りたい!と思う最旬の情報をお届けします。

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