海浜植物 下新川の海岸に残る希少な植物【富山県入善町・黒部市】
今回は、下新川地区の海岸に残る、貴重な海浜植物について紹介します。
下新川地域では、植物が育つ海浜が著しく縮小されているということです。今回は、植物を研究しておられる先生と一緒に、海浜を散歩してきました。
荒俣海岸(黒部市)
減少している海浜植物ですが、この荒俣海岸には、比較的多くの海浜植物が生息しています。
では、さっそく、貴重な海浜植物を紹介します。
海浜植物
カワラヨモギ
低木状のカワラヨモギです。そう、これはヨモギの一種です。ヨモギ属ですが、一般的に知られているヨモギとは、全く違う形です。海浜に生息するため、貴重な水分をなんとか蓄えようと工夫し、現在の姿になったということです。
ハマゴウ
香りが良く、ハーブとして知られているらしいハマゴウ。花は綺麗なブルーで、とても可憐です。
花期を終え、黄色っぽい可愛い実がなっていました。葉は肉厚。伸びた枝から根を張り、頑張って生息していました。
ハマボウフウ
葉が肉厚でつやがある、ハマボウフウです。この葉のツヤが日光を跳ね返し、水分の蒸発を防いでいるということです。
ハマニガナ
黄色い花を咲かせていた、ハマニガナです。地下茎を伸ばし、分枝して広がっているそうです。
アメリカネナシカズラ
この黄色いビニール紐のようなもの、何かわかりますか。実はこれ、アメリカネナシカズラという外来植物だそうです。根がなく、他の植物に寄生し生息しているそうです。驚いたことに、栄養分を作ることより、寄生し、他の植物から養分を摂ることを選んだ植物だということです。確かに、アメリカネナシカズラには葉がありませんでした!
最後に
下新川地域の海岸は、日本三大浸食海岸の一つです。浸食が激しく、海浜植物が生育できる海浜が減少しているそうです。厳しい環境で、工夫を凝らし力強く生きる、貴重な海浜植物を愛でながら、涼しい秋の海浜を散歩してみてはいかがでしょうか。
※海浜植物は、準絶滅危惧種に指定されているような植物もあるそうです。くれぐれも、貴重な植物を採取しないようにしましょう。
荒俣海岸等
住所:富山県黒部市荒俣地内
駐車場:無料
施設:トイレあり