雅子さまが好きな言葉と校訓とは? 高校時代の先輩が明かす意外な素顔
■2年先輩が語る、雅子さまの素顔
令和になってから、皇后・雅子さまの輝くような笑顔に多くの人たちが魅了され、若者たちの皇室に対する関心が高まったと言われている。
雅子さまは幼い頃からお父様の仕事の関係で海外暮らしが長かったが、7歳から15歳まで、日本で生活していらっしゃった。その間に通われていたのが、田園調布雙葉学園だった。
当時、同じ学び舎に通い、雅子さまの2年先輩である滝口佳津江さんは、現在、母校の田園調布雙葉中学高等学校で校長を務めている。学生時代の雅子さまはどんな方でいらっしゃったのか、インタビューさせて頂いた。
「この学園は、皆が幼馴染みのようで、家族的な伸び伸びとした良さがあります。雅子さまは小学校の時に編入してこられましたが、とても控えめな方でいらっしゃったと伺っています。私の印象では、いつも雅子さまは皆の中に溶け込んでおられた印象があります」
雅子さまは帰国子女で元外交官という経歴からキャリアウーマンというイメージが強いが、ご自分からしゃしゃり出るようなことは決してなさらず、むしろ、周りを気遣って慎ましやかに一歩引くタイプでおられるという。
■雅子さまの好きな言葉
皇室に入られた後も、雅子さまが心の中で大切にしてこられた言葉を、滝口さんが教えてくれた。
「今から20年以上前、記者の『好きな言葉は何ですか?』という質問に、雅子さまは田園調布雙葉学園の校訓(国内外の姉妹校共通)をお答えになったと聞きました。ずっと校訓の精神を心に留めていらっしゃるのだと感激する思いでしたね」
その校訓とは、フランス語では以下のように表現される。
「SIMPLE DANS MA VERTU FORTE DANS MON DEVOIR」
(徳においては純真に 義務においては堅実に)
全国の雙葉に共通する校訓であり、その意味は、裏表なくまっすぐに生きる人間としての品性を備え、なすべきことは誠実にやりとげる強さを持つように、という教えだ。
特に滝口さんは「FORTE」の言葉に、深く共感したという。
「『FORTE』は強さという意味もありますけれど、“人としての強さ”、それも、暴力的な強さではなく、“しなやかな強さ”を表しています。きっと雅子さまはご自身の中に、堅実で芯の強い、深い根のようなものをお持ちになって生きていらっしゃるのだと思います」
雅子さまが内面にお持ちでいらっしゃる、“しなやかな強さ”と“深い根”。それはこの学び舎に通っていた頃から芽生え、さまざまな経験を重ねられる中で大切に育んでこられたのかもしれない。。
■母校との繋がり
2018年11月、両陛下が高円宮杯第70回全日本中学校英語弁論大会記念レセプションに出席された。その時、最優秀賞を獲得したのは、田園調布雙葉中学校3年生の生徒であった。
会場を後にする時、天皇陛下がその生徒に声を掛け、「こちらに先輩が…」と雅子さまを紹介された。母校で勉強に勤しむ後輩との出会いは、雅子さまにとって懐かしさを感じると同時に、喜びを噛み締める出来事であったことだろう。
また、最優秀賞に輝いた生徒にとっても、雅子さまは未来への大いなる夢を与えてくれる存在であるに違いない。
滝口さんは卒業式の時、袴姿で生徒たちに卒業証書を渡している。人目につくことのない長襦袢には、ハマナスの花の模様を入れているという。ハマナスは、雅子さまのおしるしの花だ。
「雅子さまを応援する気持ちも込めて、卒業する生徒たちを送り出しています。卒業した後も、人としての正しさや美しさ、優しさと強さを持って生きてほしいと願っています」
と、滝口さんは卒業生への思いを語ってくれた。
令和の時代がスタートした時、田園調布雙葉学園同窓会からお祝いの品として雅子さまに、銀製の写真立てをお贈りしたという。写真立ての裏面に、フランス語で校訓を刻印したものだ。
これを雅子さまはお住まいの御所に大切に飾られているかもしれない。学び舎の校訓を糧にして、これからも天皇陛下と手を携えて皇后陛下としての道を歩まれることだろう。
前編:https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20200925-00198285/