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ジャッジと大谷の本塁打王対決だけじゃない。大谷とトーレスは6年前の新人王と3位、大谷とソトは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
グレイバー・トーレス(ニューヨーク・ヤンキース)Oct 18, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズで対戦するニューヨーク・ヤンキースとロサンゼルス・ドジャースは、両チームとも、今シーズンの本塁打王を擁する。アーロン・ジャッジ(ヤンキース)は58本塁打、大谷翔平(ドジャース)は54本塁打を記録し、2人とも、リーグ2位に10本以上の差をつけた。ジャッジと大谷は、打点王も獲得した。

 両リーグの本塁打王がワールドシリーズに揃い踏みするのは、今年が6度目。その5度目は、今から68年前だ。過去5組のうち、ワールドシリーズの同じ試合でホームランを打ち合ったのは、1937年のジョー・ディマジオメル・オットしかいない。それについては、こちらで書いた。

「本塁打王2人がワールドシリーズでホームランを打ち合ったことはあるのか。今年はジャッジと大谷が!?」

 また、大谷とグレイバー・トーレス(ヤンキース)は、どちらも、2018年にメジャーデビューし、ア・リーグの新人王投票で1位(新人王)と3位に位置した。

 ここまでの通算本塁打は、大谷の225本に対し、トーレスは138本だが、最初の2シーズンのホームランは、トーレスのほうが多かった。2018年は、大谷が22本塁打、トーレスは24本塁打。2019年は、それぞれ、18本塁打と38本塁打だ。

 彼らは、1番打者として、ワールドシリーズに臨む。ここまでのポストシーズンは、大谷が11試合とも「1番・DH」。打率.286と出塁率.434、3本塁打、10打点を記録している。9試合とも「1番・二塁」のトーレスは、打率.297と出塁率.400、1本塁打、5打点。大谷には及ばないものの、こちらも出塁率は高い。

 ちなみに、6年前の新人王投票で大谷とトーレスの間、ア・リーグ2位にランクインしたのは、当時、ヤンキースにいたミゲル・アンドゥーハーだ。その後は怪我と不振が続き、2019年以降の出場は、6シーズンで計219試合。ピッツバーグ・パイレーツを経て、現在はオークランド・アスレティックスにいる。

 今年のワールドシリーズに出場する選手のなかで、2018年の新人王投票で票を得たのは、大谷とトーレスだけではない。ホアン・ソト(当時ワシントン・ナショナルズ/現ヤンキース)、ウォーカー・ビューラー(ドジャース)、ジャック・フレアティ(当時セントルイス・カーディナルス/現ドジャース)は、2018年のナ・リーグ新人王投票の2位、3位、5位だ。こちらの新人王は、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が受賞した。

 彼らのうち、トーレス、ソト、ビューラー、フレアティは、今オフのFA市場に出る(フレアティは、昨オフもFA)。今年のワールドシリーズは、契約総額の歴代1位と2位となる2人が出場、という見方もできる。

 昨オフ、ロサンゼルス・エンジェルスからFAとなった大谷は、ドジャースと10年7億ドル(2024~33年)の契約を交わし、それまでの最高額だったマイク・トラウト(エンジェルス)の12年4億2650万ドル(2019~30年)を上回った。今オフにソトが手にする契約も、ソトと代理人のスコット・ボラスの思惑どおりにいけば、トラウトの総額を超えるだろう。

「15年4億4000万ドルの申し出を拒否!? 総額は史上最高のトラウトを上回るが…」

 ソトは、ワールドシリーズの第1戦が行われる10月25日が、26歳の誕生日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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