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超豪華! 村田諒太、拳四朗、八重樫東のトリプル世界戦が12.23横浜で開催決定

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 全てFUKUDA NAOKI

12月23日横浜アリーナで、WBAミドル級王者の村田諒太(33=帝拳)と同級9位のスティーブン・バトラー(カナダ)との対戦が発表された。

同日には、WBCライトフライ級王者の拳四朗(27=BMB)が、IBF同級王者のフェリックス・アルバラード(ニカラグア)と統一戦。

加えて、3階級王者の八重樫東(36=大橋)が、IBFフライ級王者のモルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑戦する。豪華なトリプル世界戦の開催が決定した。

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村田諒太の初防衛戦

村田は、7月のロブ・ブラント(アメリカ)との再戦を見事な試合運びで2RKOし、ベルトを奪取した。

初の世界戦でタイトルを取ったアッサン・エンダム(フランス)戦に続き、再戦でリベンジを果たし、勝負強さを見せつけた。

今回の対戦相手スティーブン・バトラーは、30戦28勝(24KO)1敗1分の戦績を誇る。

身長182cmでリーチが203cm。KO率が80%。長いリーチを活かしたストレートが特徴の選手だ。

弾丸を放つようにパンチを打つ事から「BANG BANG」の異名を持ち、現在はWBA9位、WBO1位にランクされる。

身長は村田(183cm)と同じくらいだが、リーチが村田(184cm)より20cmほど長いためやりにくい相手だ。

バトラーにとっては、今回が初の世界挑戦となる。村田としては、得意な近距離に持ち込んで、強いパンチを打ち込みたいところだ。

会見で村田は「ボクサーとして、もっとやりたいことや叶えたい夢がある。楽しみにしていてください」と話した。

ミドル級は世界的にも人気がある階級だ。今後ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)やカネロ(メキシコ)とのビッグマッチも期待できる。

村田も「モチベーションのコントロールが大事。まずはこの試合に集中したい」と話した。

バトラーも「戦争を起こすつもりで日本に来ます。負けるつもりはありません。トレーニング・キャンプでは200%に仕上げて12月23日に挑みたいと思っています」と意気込みを語った。

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拳四朗は初の統一戦

拳四朗にとって、今回の試合は待望の統一戦となる。

日本人最多の6度の防衛を誇り、手のつけられない強さだ。

前回の試合では、ランキング1位の最強挑戦者のジョナサン・タコニン(フェリピン)を4Rで仕留めた。

本人もビックマッチを求めていて統一戦を希望していた。

今回対戦するアルバラードは、37戦35勝(30KO)2敗の戦績を持ち、軽量級では異例の85%のKO率を誇る。

これまでの敗戦は、4階級王者の井岡一翔、2階級王者のフアン・カルロス・レベコに負けた試合しかない。

アルバラードは、前回は神戸で小西伶弥を相手に防衛戦を行なっている。

試合後に、日本人王者の拳四朗と京口紘人の名前を出していた。

お互いに相思相愛でタイトルマッチが決まった。

ボクシングスタイルは、中南米特有の体を小刻みに振りながら強いパンチを降ってくる。

拳四朗も「相手はパンチがあるが、自分の距離で戦えば全然問題ない。今回もなるべくパンチを貰わず圧勝する」と話した。

今回の試合に対してのモチベーションは高く、「やっと違うベルトを狙える。新しい拳四朗を見せる。他のベルトを狙う夢の第一歩」と話した。

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八重樫東の挑戦

3階級王者の八重樫は、スーパーフライ級での4階級目を目指していたが、今回フライ級でのタイトル挑戦が決まった。

IBFライトフライ級王座での敗戦から、2年7カ月ぶりの世界戦となる。

八重樫「4階級制覇という夢を掲げてやってきましたが、チャンスのあるフライ級で王座復帰という形で世界を目指すことになりました。決まったからには命を懸けて戦っていきたい」と話した。

相手のモルティ・ムザラネは「日本人キラー」の異名を持つ。

昨年の大晦日に坂本真宏(28=六島)を10回TKOで破り、今年5月には黒田雅之(33=川崎新田)に判定勝利。日本人選手を相手に2連続防衛を果たしている。

今回、3戦連続で日本人との対戦が決まった。

40戦38勝(25KO)2敗の戦績を誇る。

キャリア初期に負けたのと、2008年に当時IBF世界フライ級王者だったノニト・ドネア(フィリピン)と対戦し、6回TKO負けを喫した。そこから10年以上は負けなしである。

2010年には現WBOバンタム級王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)にも勝利している。

老獪なテクニックを持ち自分のペースに持ち込むのが上手いボクサーだ。

また、鉄壁のディフェンスを持ちガードを崩すのが難しい。

前回の防衛戦でも挑戦者の黒田雅之の強打を空転させた。

お互いベテラン同士のためキャリアの集大成として勝負に向かう。

今年の年末も豪華なカードが決まった。平成と令和をまたいで、数々の名勝負が繰り広げられたが、最後に豪華なビッグマッチが決まった。

試合の様子はフジテレビで生中継される。日本人選手の活躍に期待したい。

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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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