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【世界初】人→犬へ「サル痘感染」動物から人に感染するの?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イタリアン・グレイハウンドのイメージ写真(写真:アフロ)

【AFP=時事】は、世界保健機関(WHO)は17日、サル痘が人から犬への感染が初めてあったと報告しました。

この記事を読んで、うちの犬は大丈夫かな?と心配された人もいることでしょう。

今日は、サル痘が動物から人へ、そして人から動物への感染について、いまわかっていることを見ていきましょう。

世界初の人から犬への感染とは?

世界発の人から犬への感染事例は、仏パリで同居している男性2人と4歳のイタリアン・グレイハウンドの間でのものです。犬がサル痘に感染した報告も初めてのことです。

医学雑誌「ランセット」は、サル痘に感染した男性とイタリアン・グレイハウンドはベッドで一緒に寝ていたと報告しています。

その犬の粘膜には、皮膚に水疱、膿疱、痂皮などの病変が見られて、それらをサル痘のPCR検査をした結果、陽性になりました(人との濃厚接触や空気感染(あるいはその両方)による単なるウイルス保有ではなく、実際に犬には疾患があるので、発症していたと推測されます)。

サル痘の感染経路とは?

アフリカに生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギやネズミなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染します。

米国でペットのプレーリードッグを介して人が感染した事例もあります。いまのところ、猫が感染したという報告はありません。

濃厚接触

サル痘に感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触(性的接触を含む)

長時間の飛沫感染

サル痘の患者との対面での会話などからの長時間の飛沫感染

接触感染

サル痘の患者が使用した寝具などの共有にする接触感染

実際に空気感染を起こした事例は確認されていません。

飼い主のできること

サル痘は、人から犬に感染していますが、いまのところ犬から人には感染していません。

飼い主が、サル痘に感染しないと犬にはかかりません。そのことは、わかっています。このニュースを読んで、くれぐれも犬を遺棄したりしないでください。

動物から人への感染は、サル痘のウイルスを保菌するリス、サル、ネズミ、プレーリードッグなどと接触したときです。

科学的に正しい知識を持って、冷静な行動をしましょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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