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今年もiPhoneカメラの写真が最も共有された - Flickr調べ

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
iPhoneカメラの写真が最も多く共有されましたが、カメラのトレンドとは?

写真共有サービスのFlickrは毎年、共有された写真を撮影したカメラのランキングを発表していますが、最も多くの写真を収めたカメラは、今年も、AppleのiPhoneでした。

http://blog.flickr.net/en/2017/12/07/top-devices-of-2017/

http://blog.flickr.net/en/2017/12/07/top-devices-of-2017/
http://blog.flickr.net/en/2017/12/07/top-devices-of-2017/

Flickrによると、2017年にFlickrで共有された写真の50%がスマートフォンによる写真で、次いでデジタル一眼レフカメラ(DSLR)が33%、いわゆるコンパクトデジタルカメラ(Point-and-Shoot)12%、レンズが交換できコンパクトなミラーレスカメラは4%という結果でした。

私はこのカテゴリから言えば、スマートフォンを使いつつ、デジタル一眼レフカメラからミラーレスへ乗り換えたのですが、そうした人はFlickrコミュニティでは少数派のようですね。

http://blog.flickr.net/en/2017/12/07/top-devices-of-2017/
http://blog.flickr.net/en/2017/12/07/top-devices-of-2017/

カメラのブランド別のランキングは、トップがAppleで54%、次いでキヤノンが23%、ニコンが18%という結果でした。AppleのカメラはすなわちiPhoneのことで、Flickrに投稿される写真の半分以上がiPhoneで撮影された作品、という傾向に変化はありませんでした。

Flickrはプロ・アマが集う写真共有サービスで、2004年2月に開設されました。当初はオンラインゲーム向けのソフトウェアの一部でしたが、写真共有エンジンにフォーカスし、2005年に米Yahoo!に買収され、そのYahoo!は米国第1位の携帯電話ネットワークVerizonに買収され、サービスは継続しています。

Flickrにはすでに膨大な写真が保存されており、おそらく「なくなっては困るサービス」と考えている人は多いでしょう。しかしながら、Flickrは写真のモバイル化のトレンドに乗り遅れた不運なサービスでもあります。

モバイルアプリの分野では、Instagramに遅れをとり、写真共有アプリとして、あるいはソーシャルメディアの写真サービスとしての座を奪われてしまいました。写真をモバイルで共有する際、高画質よりも、共有した際の見栄えの良さを優先したい、というユーザーの気持ちをつかめなかった、というわけです。

またデスクトップの写真アーカイブのために無料で1TBの保存領域を提供しましたが、スマホ写真をアーカイブしたいというニーズと使い勝手からGoogleフォトに遅れを取り、AppleのiCloudフォトライブラリによる複数デバイスの統合フォトライブラリの登場を許してしまい、この分野でも存在感を薄めています。

Flickrは例年、カメラのブランドランキングを発表しており、2010年、ちょうどiPhone 4が発売された年あたりで、Flickrの全ての写真の中でiPhoneで撮影された写真が最も多くなり、以来iPhoneがトップを守り続けています。それでも、写真のモバイル化の波をとらえられなかったあたり、競争の激しいサービスを成功させることの難しさを感じさせます。

それでも、写真が好きで、作品を大きく美しく表示し、アーカイブしたいというユーザーにとっては、まだまだFlickrは重要なサービスであり続けています。

個人的に好きで便利な使い方は、「自分の持っているカメラやレンズで、Flickrの写真を検索する」というものです。

例えば、私の手元には、フジフイルムのミラーレスカメラX-T10と、キットのズームレンズ18-55mm/f2.8-4があります。同じ道具で、世界中の人はどんな写真を撮っているのだろう?自分の手持ちのカメラとレンズのポテンシャルはどうなのだろう?と調べてみると、良い写真がたくさん見つかり、自分も頑張って良い写真を撮ろう、という気持ちになってきます。

Flickr Camera Finder: Fujifilm X-T10

もちろん、新しいカメラを手に入れたいときにも、Flickrの検索で作例を見つける、というのは良い方法です。カメラ選びの際、あるいは写真撮影のモチベーションを高めたいとき、Flickrはぴったりのサービスといえるでしょう。

願わくば、私も誰かの参考になるような写真を投稿してみたいと思っているのですが……。

なお、Flickrは米Yahoo!のサービスであるため、日本のヤフーのアカウントでそのまま利用する事はできません。既にお手持ちの米Yahoo!アカウントでログインするか、新規アカウントを作成することで、1TBの無料保存容量とともに、Flickrの写真コミュニティに入ることができます。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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