【優しい子に育ってほしい!】譲り合ができる子に育つ秘策を幼児教育講師が教えます!
幼児教育講師のTERUです。
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日は『譲り合える子の育て方』というテーマです。
きょうだい間やお友達との関わりの中で、子どもが譲り合いできないという問題に悩まされている親御さんは本当に多いと感じます。
そんなお悩みが少しでも解決するように、お話しさせていただきます!
【子どもの発達段階】
まず始めに大前提としてお伝えしておくと
「6歳までは子どもの脳の仕組みから考えると譲り合いが完璧にできるようになるのは基本は難しい」です。その理由は公正観の発達にあります。
公正観とはお友達とお菓子を分けたり、順番を決めるときなどに、みんなが満足するにはどうすれば良いかを考える力です。
子どもは次のように発達していきます。
4歳以下
・とにかく「全部ちょうだい!」という主張をする
4歳〜5歳
・「私が一番小さいから全部ちょうだい!」と外見的な特徴や年齢、性別の違いなどを理由にして主張をする
5歳〜6歳
・どんな状況でも「みんなと同じじゃなくちゃ嫌!」とみんな同じであるべきと主張をする
もちろん個人差はありますが、大きな傾向としてはこのような感じです。
そのため大人としては当たり前の論理で「この場合はお菓子を食べるのは〇〇ちゃんだよね」というのを素直に理解できる子は多くありません。
6歳くらい。もっと言えば10歳くらいまでに譲り合いができないのはしょうがないことだということなんですね。
なので今回お伝えする『譲り合い』ができるようになるための方法は、後々『譲り合い』ができる人に育つための方法であるとご理解いただければ幸いです。
【結論】
私は、子どもが譲り合いができるようになるには『幸せの三角関係』を作る。ということが最も効果の出る方法だと思っています。
『幸せの三角関係』って何?って感じですよね!順を追ってご説明します。
まず始めに、譲り合いができるようになるには本来、色んな要素が絡んできます。
譲り合えるということは相手の主張を理解しないといけませんから
『聞く力』や『理解力』、そして相手に譲るという意思を伝える『語彙力』
そして今の状況を客観的に見る『客観的思考力』も必要になっていきます。
これらの能力は年齢が上がっていけば徐々に身についていきますが、その力が身についてきても譲ることができない子は、全くできなかったりします。
なぜかというと譲るという『心』が準備できていないからです。これは譲り合いに限ったことではありませんが、能力があっても心が『譲りたい』と思える状態でなければ譲り合いはできません。
【譲る心はどうやって育つの?】
それは「思いやりを育てる」とか「優しい心を育てる」といった漠然としたことではありません。
重要なのは
『脳が譲りたいと思う癖をつけてあげる』
ということです。
つまり親はそのための声かけや対応をしていき、そして子どもの年齢が上がっていき、先ほどの『聞く力』『理解力』『語彙力』『客観的思考力』などが育ってきたら自然と譲ることはできるようになっていくということです。
この『脳が譲りたいと思う癖をつけてあげる』ために、僕は冒頭でお伝えしました『幸せの三角関係』を作るということをおすすめしています。
【幸せの三角関係の作り方】
では、具体的にどうしたら良いかをお話していきます。
『幸せの三角関係』は親とお子さんと、もう1人の人の3人で作ります。
もう1人はお友達でも家族でも誰でもOKです。
この『幸せの三角関係』は、
・なにかを「どうぞ」することができたとき
・なにかを貸してあげたとき
日常の中で、このようなことを子どもができたときに使います。
もちろん子ども自ら「どうぞ」ができなくても、親が導いた場合でもOKです。
例えばお兄ちゃんが弟におもちゃを貸してあげたとします。
こんな時皆さんなら何と声をかけますか?
恐らく「ありがとう」とか「さすがお兄ちゃんだね」とかそういった言葉ではないでしょうか。
これでももちろん良いのですが、『幸せの三角関係』を作るには全部で3つの声かけが必要です。
①「どうぞ」した子どもを褒める
まずは貸してあげることのできたお兄ちゃんに親が声をかけます。
「優しいね」とか「ありがとう」などの声かけをして、まずは貸すことのできたお兄ちゃんを褒めましょう。
小さい子どもであれば頭を撫でてあげるとより伝わりやすくなります。
②「どうぞ」された相手に「よかったね」と声をかける
何も意識しないと、今の①だけで終わってしまうのですが、ここからが大事です。
貸してくれたお兄ちゃんを褒めた後は、貸してもらえた弟に「よかったね!」「嬉しいね!」と声をかけます。
それにより、お兄ちゃんは自分がした行為で相手が喜んでくれていることを明確に感じることができます。これが大事です。
自分が人に物を譲る行為は、親から褒めてもらえるために行うのではなく、譲る行為を通じて相手に自分の心を分けて、良い関係を築いていったり、お互いが優しい気持ちになったりするところにあります。
それに気づけるように、譲った相手がどのような気持ちになったのかということがわかるように相手に声をかけてあげるわけですね。
③親がIメッセージで感謝と親の想いを伝える
②までも十分効果があるのですが、最後③を行うことで『幸せの三角関係』が完成します。
弟に想いを伝えたら、最後に貸してあげたお兄ちゃんに
「優しいお兄ちゃんに育ってくれてお母さん嬉しいな」
「どんな人にでも優しくできるお兄ちゃんはお母さんの宝物だよ」
「お兄ちゃんが人にどうぞできるのお母さんとっても嬉しいな」
など、親の想いをIメッセージで伝えます。
幼児期の子どもは親の言葉の影響が最も大きいです。自分がしたことで親が喜んでくれたということほど、嬉しいことはありません。
Iメッセージって何?という方はこちらの記事をご覧ください。
これで『幸せの三角関係』は完成です。
【まとめ】
『幸せの三角関係』とはお兄ちゃんも嬉しい。弟も嬉しい。お母さんも嬉しい。というみんなが嬉しい状態を親の言葉で作ってあげるということ。
この『幸せの三角関係』を作ってあげることで、子どもは「自分の行為でこんなにも喜んでもらえる」「自分がしたことで周りに良い影響を与えることができる」ということを実感します。
この体験をすると脳からドーパミンが分泌されます。
ドーパミンが出る経験をすると、その原因となった行動を繰り返したくなるので、
誰かに何かを譲った→周りの人が喜んでくれることを明確に実感→ドーパミンが出る→また誰かに譲ってあげたくなる
というサイクルができてくるのです。
これを幼児期に繰り返してあげることで、『脳が譲りたいと思う癖』がついていくというわけですね。
いかがでしたでしょうか?
皆さんの子育てを応援しています!