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今週末、W杯の組み合わせ抽選会が開催 戦績からみえた日本代表のベスト組み分けは?

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
ホーム開催試合では日本代表は好成績だが、ブラジルの地では果たして…

ワールドカップ(W杯)の組み合わせ抽選会が今週末に迫ってきた。日本時間で12月6日金曜25時(12月7日土曜午前1時)からブラジル・サルバドール近郊で行われる。NHKで生中継される予定だ。

さて、サッカー日本代表は今年6月に早々とW杯出場切符を獲得し、先月の欧州遠征でザッケローニ体制となって通算50試合目を数えた。次の強化試合は来年3月を予定しており、当分試合もないことから、この区切りの時期にザックジャパンの3年間を振り返ってみようと思う。加えて、対戦国の大陸別成績の傾向から、組み合わせ抽選会でどの大陸の国と同組になるのがベストなのか分析する。

データ解析から浮かび上がるザックジャパンの課題

2010年の南アフリカW杯終了後にアルベルト・ザッケローニ氏が日本代表監督に就任してからの国際Aマッチ通算成績は50戦28勝11敗11分け。勝率が5割を超え、上出来の成績と言えるだろう。2011年のアジアカップで大陸王者となり、W杯予選も難なく突破してきた証だ。対戦国をアジアに限定すると27戦17勝3敗7分けとなり、敗戦率は11%。アジアの舞台では無類の強さを誇る。

だがしかし、W杯本戦では同じ大陸の国は同組に入らないように組み合わせ抽選が行われるルールとなっている(13カ国が出場する欧州は例外で、同組に最大2カ国というルール)。つまりブラジルW杯の舞台を見据えると、アジアでの成績を除外して考えるべきである。

アジア以外の国との対戦成績を合計すると23戦11勝8敗4分けとなり、敗戦率は35%。アジアのそれの3倍以上に跳ね上がる。勝ち越しているのは非常に評価すべきポイントだが、W杯では「負けない」戦い方が要求される。アジア以外の強豪国相手に、いかに勝ち点を拾っていくかがW杯のグループステージでの課題と言えるだろう。

では、対戦国の大陸別に戦績を分けてみると、どういう結果になるのか。欧州、南米、アフリカ、北中米カリブの4大陸で合計してみた。

ザックジャパン50戦の対戦国の大陸別成績
ザックジャパン50戦の対戦国の大陸別成績

ザッケローニ監督が就任してからアフリカとの対戦が1試合しかないのは意外だが、唯一負け越しているのが南米である(7戦2勝3敗2分け)。ただし、試合数のサンプルが若干少ないので、2006年ドイツW杯後のオシム監督、岡田監督時代の戦績も加えて、母数を増やした上で計算し直してみた。ちなみに北中米カリブは組み合わせ抽選でアジアと同じポットに入り、W杯本戦で対戦するとしても決勝トーナメント以降となるため、本番での対戦相手を占う対象からここで除外する。

オシム・岡田・ザッケローニ監督体制における日本代表の対戦国の大陸別成績
オシム・岡田・ザッケローニ監督体制における日本代表の対戦国の大陸別成績

アフリカとの対戦成績が図抜けているのが特徴だ(10戦7勝2敗1分け)。南アフリカW杯の初戦で、本田圭佑の値千金のゴールで“不屈のライオン”カメルーンを下した試合を覚えている人も多いだろう。W杯出場国のガーナ、コートジボワール、カメルーンの3カ国に限定した場合でも7戦5勝2敗と大きく勝ち越しているのは好材料と言える。

欧州との対戦成績も2006年まで期間を広げると勝率が5割を超える好成績だ(23戦12勝8敗3分け)。W杯出場国のベルギー(2勝)、フランス、スイス、ボスニア・ヘルツェゴビナに勝利した経験があるのも大きい。それに対して、南米との対戦成績は母数を増やしても低調なまま(15戦4勝4敗7分け)。W杯出場国に限定すると、8戦2勝4敗2分けと大きく負け越しており、厳しい数字だ。

組み合わせ抽選のポット分けは昨日、FIFAから以下の通りに発表された。

予想に反して、日本はポット3に入った。
予想に反して、日本はポット3に入った。

ポット2は言わずもがな、勝率が驚異の7割を誇るアフリカを引き当ててほしい。ポット4は選択の余地なく欧州となるが、ポット1においても対戦成績が芳しくなく、しかもブラジル開催ということでほぼホーム扱いで戦える南米諸国ではなく、勝ち越している欧州諸国との対戦を望む。

結論は「欧州、アフリカ、欧州」がベストの組み分け

すなわち、ベスト16に進出した南アフリカW杯での組み合わせ「オランダ、カメルーン、デンマーク」の再現となる「欧州、アフリカ、欧州」の同組セットがベストと言えるだろう。

当然ながら、カテゴリーとして定義した大陸別の中で、不運にも優勝経験国であるドイツやイタリアなどを引き当てててしまったら、元も子もないのは事実だ。あくまで確率論の話であることをご留意頂きたい。サッカー談義における酒の肴のひとつとして、数字遊びを一緒に楽しんで頂けたら本望だ。

遂に今週末の金曜深夜、サッカー日本代表の運命が決する。固唾を飲んで抽選の模様を見守ることとしよう。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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