ふんわり、しっとり…個人が思い浮かべる程度は様々ですが、なんとも心惹かれるワードではないでしょうか。パンやケーキを彷彿とさせるような気がしますが、和菓子だって負けていません。

ふんわり、そしてしっとりとした生地は焼いたり蒸かしたりとその技法はさまざまですが、双方のバランスが大切な和菓子といえばカステラ。

実は以前こちらでも投稿させていただいた京都の老舗「かま八老舗」さんの黒豆カステラがあまりにも美味しく、今回は別なお味を入手することに成功。

■記事リンク→かま八老舗さん・黒豆カステラ

かま八老舗さんでははちみつ、黒豆、粒餡、抹茶の四種類を製造なさっているのですが、今回は王道の「はちみつカステラ」をご紹介。

いわゆる王道のカステラです。透明かつシンプルな包装なので、鮮やかな蒲公英色の肌がはっきりと確認できるのも特徴です。放送だけではなく、材料も砂糖・小麦粉・鶏卵・蜂蜜・米飴と非常にシンプル。香料などは一切使用しておりません。こっくりとした甘い香りに吸い寄せられてしまいます…

黒豆カステラに比べると、ずっしりというよりは幾分ふわりとした空気感も掌の上で感じられますが、やはりボリュームはたっぷり。このアットホームさがたまらないんです。

キラキラと艶やかな焼き目の滑らかさと張り、そして素朴な生地肌のコントラストに注目。一見水分量が少ないのではと思うかもしれませんが、それは杞憂に終わるということを保証いたします。と申しますのも、ひとくちぱくりと口に含めば、一瞬ふんわり、そのあとはしっとりと溶けていくようななんとも絶妙な加減なのです。

それでいて、卵特有の生臭さなどは皆無で、しっかりと焼き上げられているということも実感できます。卵の泡立て具合、混ぜ具合、そして蜂蜜と米飴が上手く作用して湿潤な食感をキープしてくれているのでしょう。

そして驚くべきことに、余韻のはちみつの芳香が非常に濃厚！はちみつの甘さ、ではなく、花やかな馥郁たる甘美な香りで口の中と鼻腔が満たされ、思わず深呼吸。甘味が残るわけではないので、おそらくふた口めはより大きなサイズでぱくっと頬張りたくなることでしょう。

家族揃って美味しさを共有し、世代を超えて愛されていく味とはこういうものなのかもしれないと改めて実感。高級なカステラを少しずついただくのも悪くありませんが、あくまで家庭のおやつとして心行くまで味わえるカステラも楽しんでみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ