上杉謙信ゆかりの上越名物!きなこの下に蓬餅を詰めた「出陣餅」薫り高いお餅に思う存分黒蜜を絡めたい…!
和菓子の役割といたしまして、「和」という文字の如く、口にするとほっとするような穏やかな気持ちにしてくれるという一面もあるかと思います。しかしそれと同時に、やる気促したりゲン担ぎをするという用途としても需要がありますね。
創業明治29年、新潟県上越市に本店を構える老舗「かなざわ総本舗」さん。かの有名な上越が産んだ武将、上杉謙信や直江兼続への敬意を込めた和菓子を作っていらっしゃるお店です。
その中でも今回は、「かなざわ総本舗」さんの「出陣餅」をご紹介。
ビニール製の風呂敷を解くと逞しくも流れるような筆跡で描かれた筆文字が。まさに越後の龍の如く流麗かつたくましいイメージですね。また、描かれている家紋は丸に九枚笹といい、笹に所縁のある家紋をもつ上杉謙信や戦国時代の名軍師とうたわれた竹中半兵衛が使用していたとされる家紋でもあります。
くぼみのある蓋には黒蜜の容器が横たわっており、上面は淡い色合いのきなこでびっしりと埋め尽くされております。また、こちらのきなこには特徴的な部分がありまして、塩気を感じるのです。ぜひ召し上がる際はそのままぺろりと舐めてみてくださいね。
そして中には小粒のお餅がみっつ、ぎゅぎゅっと身を寄せ合うように入っております。こちらのお餅は蓬入り。このままでも蓬のスンとした涼やかさがぎゅっと凝縮されたお餅としても楽しめます。黒蜜はややさらりとしていて色味もライト、黒糖の華やかな風味立ちはしっかりとしているものの、味わいは軽やかです。
さて、その三位一体のお味はといいますと、非常に穏やかな甘味と個々の香りにスポットが当たり、甘さではなく芳しさとして成立。それぞれ別々に味わうと個性が引き立ちますが、黒蜜が全体を一つにすると同時になだらかにする役割を果たしているのでまとまりが良いのです。
また、きなこの粒子が細かいことと黒蜜がさらりとしているため、きなこが黒蜜を抱き込んだ塊を掬って召し上がるのも…お行儀が悪いでしょうかね、でもたまらないのです。
こちらのお菓子は顧客の選挙当選のための縁起物として以来されたもの。また、かの上杉謙信が戦前に兵士たちにお餅を与え士気を高めたということもいわれのひとつとなっているそうです。
気分転換のガソリンとするか、はたまた今日はもう店じまいのご褒美とするか。ううむ、悩みどころですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<かなざわ総本舗・稲田本店>
公式サイト(外部リンク)
新潟県上越市稲田4-11-5
025-522-5500
9時30分~17時30分
定休日 元旦