セールのシーズン200奪三振は5年ぶり8度目。歴代何番目の多さ!?
9月3日、先発マウンドに上がったクリス・セール(アトランタ・ブレーブス)は、7イニングを投げ、スコアボードにゼロを7つ並べた。与四球はなく、9三振を奪い、シーズン奪三振を206とした。
セールのシーズン200奪三振以上は8度目。その前は、2013~19年の7シーズン連続だ。
MLBスタッツ(MLB.com)は、こう謳っている。8度のシーズン200奪三振以上は、殿堂選手のスティーブ・カールトンと並び、左投手では2番目の多さ。さらに多い左投手は、殿堂選手のランディ・ジョンソン(13度)だけ。
右投手を含めても、セールの8度は、歴代9番目の多さだ。ゲイロード・ペリー、カールトン、バート・ブライレブンの3人に並んだ。
MLBスタッツが左投手に限って紹介したのは、すでに人数が二桁に達している――セールは12人目――のと、9度の現役投手が2人いることが理由だろうか。ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)とマックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)は、シーズン200奪三振以上の回数に加え、通算奪三振もセールより多く、セールと違ってサイ・ヤング賞を受賞している。それも、3度ずつだ。
ただ、このままいけば、セールも、サイ・ヤング賞投手になるだろう(「2010年代のエースが復活。35歳で初のサイ・ヤング賞もある!?」)。
9月3日が終わった時点で、206奪三振と奪三振率11.54、防御率2.46とFIP2.01は、いずれもリーグ1位。それぞれの2位は、201奪三振のディラン・シース(サンディエゴ・パドレス)、奪三振率11.03のシース、防御率2.63のザック・ウィーラー(フィラデルフィア・フィリーズ)、FIP2.96のクリストファー・サンチェス(フィリーズ)だ。また、セールの160.2イニングは6位、与四球率1.90は4位に位置する。16勝は最多。2番目に多いウィーラーとは、3勝の差がある。
FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。
なお、これまでセールが並んでいた、シーズン200奪三振以上が7度の投手は、3人いる。右投手のウォルター・ジョンソンと左投手の2人、ミッキー・ロリッチとクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)がそうだ。カーショウは、2010~15年と2017年が200奪三振以上。2011年と2013~14年はサイ・ヤング賞を受賞した。
ちなみに、1シーズンに300三振以上を奪ったことのある現役投手は5人。2015年にカーショウが301奪三振、2017年にセール(当時ボストン・レッドソックス)が308奪三振、2018年にシャーザー(当時ワシントン・ナショナルズ)が300奪三振、2019年にアストロズの2人、ゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)とバーランダーが326奪三振と300奪三振だ。右投手のコールは、シーズン200奪三振以上を6度記録している。