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【JAZZ LIVE】未知なる未来は現実になりえるのか?|mujik CPJ Festival V

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、最先端音楽CPJの天王山“ミュージックCPJ”の第5弾。

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mujikCPJ Festival V at Blues Alley Japan
mujikCPJ Festival V at Blues Alley Japan

ジャズが不思議な音楽だと思うのは、100年も前の曲を繰り返して演奏するかと思えば、いままで誰も考えたことのない、やったことのない手法にこだわるというスタンスが同居しているところだ。

いま日本で、いや世界で、誰も考えたことがない、やったことがない手法にこだわるという点において、右に出るものがいないと言えるのが、この松井秋彦率いるCPJの軍団である。

CPJが不思議なのは、それが数字や理論だけではなく、しかもカルトに逃げていないところだ。要するに“大まじめ”なのである。“大まじめ”という点では、ミントンズ・プレイハウスに集まったジャズ・ミュージシャンたちがビバップを生み出した経緯に似ていると言えるかもしれない。

アルバム『art CPJ』の全貌も明らかに

この数年はマルチ・パフォーマーとしての松井秋彦の活躍に依存する部分が多いように感じるステージングだったmujik CPJ Festivalだが、今年はガラッと趣を変え、アコースティックなサウンドに転換するというアナウンスが届いている。

これは、総勢10名が参加して制作されたCPJの新作『art CPJ』にリンクした、CPJの新たな展開として注目せざるを得ないだろう。というのも、昨年リリースされた『album CPJ』では、これまでこの次元に出現していたCPJメソッドの名曲の数々から選りすぐられた10曲のすべてのパートを松井秋彦が演奏して再現するという、究極のマルチ・パフォーマンスを具現した内容だったからだ。北極から南極へ、瞬間移動してしまったようなものだと言えばいいだろうか。どちらも寒いから瞬間移動してしまうとわからないかもしれないが、わかる人にはきっとわかる。たぶん今年のmujik CPJ Festivalは、いままで見ることのなかったペンギンの存在に気付くことになるのだろう。

アコースティックという異次元に瞬間移動しようとするCPJのリアルな夜を見逃すわけにはいかない。

では、行ってきます!

●公演概要

11月27日(金) 開場18:00/開演19:30

会場:ブルース・アレイ・ジャパン(東京・目黒)

出演:松井秋彦(作編曲、Multi-Performer:キーボード、ギター、ベース、ドラム)、前田祐希(ヴォーカル)、深澤彩(ヴァイオリン)、クリスアキ(ピアノ)、酒井美奈子(キーボード)、宮川洋輝(キーボード)、戸井路子(ピアノ)、猪口勇哉(ベース)、向井康(ドラム)、鈴木淳(ドラム)

♪☆mujik CPJ Festival IV /Junky Funk / Akihiko'JOKER' Matsui(松井秋彦)

昨年の第4回のステージのようす。

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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