カムバック賞の2人は受賞の意味が異なり、どちらもFAになったが、大型契約を得るのは1人だけ
今年のカムバック賞に選ばれた2人、コディ・ベリンジャーとリーアム・ヘンドリクスは、揃ってFA市場に出ている。
カムバック賞の受賞からもわかるとおり、どちらも、実績のある選手だ。ベリンジャーは、2017年に新人王を受賞し、2019年はMVPに選ばれた。ヘンドリクスは、2021年に38セーブを挙げてタイトルを獲得し、翌年も37セーブを記録した。
ただ、それぞれのカムバックは、意味合いが異なる。ベリンジャーは、2シーズンにわたった不振を抜け出した。ヘンドリクスは、癌からの復活だ。年明け早々に癌(非ホジキンリンパ腫)を公表し、治療を経て、5月初旬にAAAでリハビリ登板を開始。同月下旬にメジャーリーグへ戻った。
ベリンジャーは、打率.307と出塁率.356、26本塁打と20盗塁、OPS.881を記録した。一方、ヘンドリクスは、昨シーズンまでのような活躍には至らなかった。5試合に登板したところで、右肘を痛めて離脱。8月初旬にトミー・ジョン手術を受けた。
今オフにFAとなった経緯も違う。ベリンジャーは、シカゴ・カブスと交わした1年1750万ドル(2023年)の契約についていた、2500万ドルの相互オプションを破棄した。当然ながら、その後、カブスが申し出た1年2032万5000ドルのクオリファイング・オファーも断っている。ヘンドリクスは、3年5400万ドル(2021~23年)が満了し、そこについていた1500万ドルの球団オプションをシカゴ・ホワイトソックスに破棄された。
大谷翔平を除くと、ベリンジャーは、今オフのFA市場で最高の野手だろう。28歳の年齢からすると、今シーズンは、復活の序章に過ぎない可能性もある。2019年は、打率.305と出塁率.406、47本塁打と15盗塁、OPS1.035を記録している。
しかも、ベリンジャーのセールス・ポイントは、オフェンスだけではない。外野と一塁を守ることができ、メインとしているのはセンターだ。年平均は2000万ドル以上、総額は2億ドルを超える契約を得るのではないだろうか。
ヘンドリクスについては、こちらで書いた。